Builder’s Voice 工務店・ガラス店の声
1970年生まれ。慶應義塾大学で法律学を学ぶ。卒業後1993年より大手銀行にて法人営業業務部署に勤務。2007年村島硝子商事入社。200x年代表取締役社長就任、現在に至る。
本業のガラスやアルミ関連に加え、2013年よりエクステリア部門、2017年には不動産部門も立ち上げ、総合的な住環境向上に貢献する企業としてのスタイルを確立。2023年LIXIL不動産ショップ全国大会中古リフォーム部門全国1位として特別表彰を受けた。
祖父が創業し今年100年目を迎える老舗の三代目として、先人が築いてきた信用と実績を守りつつ、その目が見つめるのは時代の流れと未来だ。百周年を機にまとめあげた新たなパーパスとコアバリューには、次代を担う若い人々への熱い想いと期待があふれる。
休日は仲間との登山を楽しみ、2023年の大阪マラソンを完走したスポーツマンの顔も。宅地建物取引士、ほめる達人検定2級
プロとして暖簾を守り、ベストソリューションで悩みにこたえる
百周年おめでとうございます。今そしてこれからの100年に向ける想いをお聞かせください。
社員みんなで会社の看板を背負い、誠実な仕事ぶりで「村島硝子なら大丈夫」という地域の信用をつくってきました。何よりもこの暖簾を守り通していかねばなりません。
100年の間、人の暮らしに必要とされてきたガラスという商材。これは次の100年もなくならないものです。
せっかくそんな市場にいるのですから、これからも研鑽を重ね、ガラスのプロとしてありつづけなければならないと思っています。
プロとして、どのようなあり方を標榜されますか。
お客様それぞれの環境に応じて“何がベストのソリューションなのか”を考えて実践する。機能ガラスであれば、それが結果として省エネに貢献していくでしょう。
ガラス・サッシそして補助金に関するプロフェッショナルとして、お客様のお悩みにこたえていきたいです。
とくに補助金関連の対応は、書類作成も含めて会社の強みと位置づけています。
『住宅エコポイント制度』が始まる際には、いち早く説明会を開催して100社以上のお客様にご来店いただき、サポートしました。
社員をほめ、伝える“”仕事の意義”と“楽しさ”
社内やロータリークラブの集まりで若い人と仕事について話すと、彼らからは自分の仕事の存在意義や、それが社会に貢献しているのか、といったことをよく聞きます。
所属していた会社を辞めた人に理由を聞いたこともあります。すると「仕事が楽しくない、存在意義がなかった」と答えが返ってくるんですね。
お給料以上に、自分がやっていることに意義を見出せないからやめてしまうというのです。
それを知ったとき、会社の中での社員自身の存在意義を明確化しなければならないと思いました。
そして3ヶ月悩み抜いて掲げたのが『社会に必要とされる存在になる』という新たなパーパスです。これには百周年記念の意味もあります。
昔の会社って『滅私奉公』的な部分がありましたよね(笑)
でも、今は違います。何のために働くのか? “働くことの意義”を職場に浸透させていく。そのための研修会も行っています。
そんな中、トップとしてご自身はどういった実践を?
社員とたくさん話し、そして“ありがとう”の言葉を多く出しています。社員にも、お客さまにも、そして家族にも。
同様に“ほめる言葉”もたくさん出しますね。
ほめる言葉って、実は自分の脳に対して言っているそうなんですよ。口に出すと自分自身の気持ちがよくなる。だから部下に対して“ダメ”と言わずにほめる方が気持ちがいいし、社内の雰囲気も良くなります。
これを始めてから増収増益です。
あとはやはり、スピーディな対応でしょうか。お客さまにもほめていただいている部分です。
断熱ガラスでやっていく「笑顔で健康に暮らせる家づくり」
今後の社会において、窓ガラスはどんな存在になるとお考えですか。
断熱性能と健康への貢献、そしてDX。
SDGsの時代、窓の役割は省エネと健康だと考えています。パーパスにも明記しました。
以前、社員のひとりが高性能住宅を建てました。そうしたら家族が風邪をひかなくなり、本人の喘息も治ったそうです。さらにエアコン1台で家じゅうの空調ができているといいます。
“断熱化”とはこういうことではないか。そして窓がやっていくこともまた、これなのだろうと思います。
- 取材日
- 2023年7月7日
- 取材・文
- 二階さちえ
- 撮影
- 小田切 淳
- 社名
- 村島硝子商事株式会社
- 住所
- 奈良県橿原市
- 社員数
- 39名
- 事業内容
- 板ガラス・アルミ建材・住設機器その他関連商品の取扱/ガラス・アルミ・エクステリア・リフォームの各工事/不動産仲介業