Builder’s Voice 工務店・ガラス店の声
1955年生まれ。建築専門学校卒業後、東京都内の不動産会社に勤務。のちに親族が経営する建設会社に入社し設計と現場監理業務を担当。30歳で独立、1992年サクラ建設工業創業。94年株式会社設立。
美しい植栽を生かした庭づくりを愛し、その心持ちを映すように優しく穏やかな物腰が印象的。人柄は地域住民の厚い信頼を得、住まいに関連する相談はもちろん田んぼに落ちた重機の救出にまで依頼の電話がかかる。反面、大切と思う事柄には譲ることなく実現・解決の方法を探し続ける一徹さも。意志強靭なロマンチストは最近は家族に加わったウサギの“モグちゃん”に夢中だ。一級建築士・一級土木施工管理士・管工事施工管理士・一級造園施工管理技士・浄化槽設備士
家づくりの基本は“ビューティフルライフ”
家づくりのスタンスを聞かせてください。
お施主さんには“ビューティフルライフを満喫してほしい”。
休日はトレーナーでなくお気に入りの服で、好きな庭を眺めながら過ごす…そんな住空間をつくるお手伝いをしたいですね。
生活で大切なのは、いかに快適に暮らすかだと思っています。
加工した建材はあまり使わず、なるべく無垢材や自然素材を選びます。石も好きです。
室内の温熱環境など体感面での快適さについては、どのようにお考えですか。
夏は暑くない、冬はお風呂場で倒れない、部屋の空気がさわやかで臭いや湿気がなく、一年を通して快適に過ごせる環境づくりがしたいと思っています。
構造と意匠のバランスも同じです。
どうしても筋交いを入れなければならないとき、さてどこかに持っていくか、それとも隠してしまうか考えます。構造は抜けないから苦労しますね。意匠にして見せ、解決することもあります。
外が見え、光と風が通るガラス窓をたくさんつけたい
窓や開口部はどう考え、設計されますか。
外が見えるガラス窓をたくさんつけたいんです。
ただ、つけすぎると建物の構造に問題が出るので、そこをどう解決するかです。
「窓はそんなにいらないなあ」とおっしゃるお施主さんもいらっしゃいます。そんなときも、住む場所や周りの住宅との距離、夏の日差しや冬の寒さ対策などいろいろ考えて、少しでも窓を多く取り入れた住まいをご提案させていただいています。
ご自邸は大きさも開け閉めの仕方も違う窓がたくさんついていますね。
窓はあかりを取り、風を入れ、そして外を見るためのもの。それを念頭に、敷地のどこに窓や出窓、バルコニーをつけるか考えて配置していきます。
雨は入らない、風は入る。そんな窓です。
サッシは木サッシがいいですね! 使えればの話ですが(笑)通常は断熱性能と結露防止の面から樹脂サッシを推奨しています。
ガラスの基準はエコガラス、西面と南面はとくに。西に庭がある場合は窓辺に落葉樹を植えて日射遮蔽しています。
住まい全体の性能面の担保としては『外断熱二重通気工法』を採用しておられます。
最初は一般的な軸組構造の住宅をつくっていました。
あるとき外断熱二重通気工法の会社に勤めている人に出会って「せっかくだから話を聞いてみよう」と思ったのがきっかけです。
でも、デフォルトの基準はとくにありません。お施主さんのご意向で長期優良住宅にも対応しています。
“冬あたたかく夏涼しい”のは、やはり大事。社員も全員、同じ家を建てて住んでいますよ。
社内スタッフと価値観を共有する、と。
はい。
環境性能に関しては、僕よりも担当者の方がその土地の気候や風土をわかっているから、任せています。その分、新しい技術の情報は逐一みんなで共有する。
スタッフからの相談はコスト関連ですね。それも説明して、あとはお施主さんとの相談・打ち合わせになります。
庭づくりや地域との関わりも大事な仕事
建物だけでなく、庭など外構工事のウェイトも大きいのでは?
外構は好きです。例えば階段をつくるのに杭打ちから踏み板をつけるまで、絵を描くだけでなく造り方まで全部自分で考えてやります。
やはり、庭を見せたいですね。窓は自分の空間としての庭を見るためのものでもありますから。
以前は御社のモデルハウスだったご自邸は、外構も含めて地域の風景にもなっています。お客さまは近隣中心ですか。
北はつくば市から西は千葉、東は香取、南は東金といったところですが、お施主さんの多くは近隣やご紹介の方です。
モデルハウスやOBのお施主さんの家を見て、来店してくださる方もいらっしゃいます。
- 取材日
- 2022年5月18日
- 取材・文
- 二階さちえ
- 撮影
- 小田切 淳
- 社名
- 株式会社サクラ建設工業 一級建築士事務所
- 住所
- 千葉県成田市
- 社員数
- 9名
- 事業内容
- 住宅・店舗・オフィス等設計施工/増改築・リフォーム/外構・ブロック・造園工事/各種公共工事