事例紹介/リフォーム

出っ張り感のない内窓で涼しく快適に

窓から快適、リフォームレポート -千葉県 T邸-

Profile Data
立地 千葉県我孫子市
住宅形態 RC造15階建集合住宅(2003年竣工)
住まい手 夫婦+子どもひとり
リフォーム工期 2014年8月(1日間)
工事費用 約60万円(うち補助金約17万円)
利用した補助金等 SII平成26年度既築住宅・建築物における高性能建材導入促進事業
固定資産税減免


結露に悩むマンション1階。母の同居を機にエコリフォーム

築13年の大規模マンションは、2棟に分かれた15階建。中庭にはゲストハウスや集会室、コミュニティショップなど共用施設も多く、敷地内部にひとつのまちが形成されているようだ

入居以来現在まで、マンション内の住民活動に積極的に関わってきたTさん。第1期の自治会理事を務め、コミュニティの歴史や事情にも詳しく、明るくオープンにインタビューにこたえてくれた。リフォームを手がけた木村ガラスの木村眞由美さんとの息もぴったり

世帯数851。ビッグスケールのマンションにTさんを訪ねました。建物の竣工時からここの住人で、2014年8月に全部の窓をエコリフォームしています。

笑顔で迎えてくれたTさんにきっかけをうかがうと「夫はずっと考えていたみたいです」
1階の住まいは湿度が高く、冬場の窓は激しく結露したといいます。「サッシ枠までびしょびしょで、毎日拭いてまわっていました」
加えて、当時使っていたのは石油ファンヒーター。運転時に水分を発生するしくみを持つこの暖房機器も、結露に拍車をかけていたのでしょう。

ご主人はこの悩みを解決すべく、以前からインターネットなどで情報を集めて検討していました。
決断を後押ししたのは、Tさんのお母様との同居が決まったこと。使ってもらう部屋に北向きの窓があり、寒さの心配から窓のエコリフォームが現実味を帯びてきたのです。


プロに相談、その場で内窓設置を決断。なぜ即決できた?

真南のバルコニーにつながる、リビングと和室の窓。シングルガラスの外窓は激しい結露に悩まされてきた。和室は夜には夫婦の寝室になる

和室からリビングダイニングを見る。窓からの日差しは、夏場は上階のバルコニーが庇となり室内への射し込みはゼロ。冬場はソファまで届く。正面左の扉は子ども室に続いている

2014年の春先、ご主人が行き先を告げずにTさんをある場所に連れ出します。着いた先は隣町の木村ガラス店でした。「どこに行くんだろうって思っていたらいきなり(笑)」
エコリフォーム計画は、ここから一気に加速しました。

突然の訪問をにこやかに迎えたのは、木村ガラスの木村眞由美さん。当初は“サッシは既存のものを使い、3つの窓のガラスだけを複層ガラスにしたい”とご希望だった、と振り返りました。

それに対し、提案したのが“全部の窓への、エコガラスの内窓設置”です。「お話をうかがって、複層ガラスよりエコガラスの採用をおすすめしました。また、既存サッシには結露がつき続けること、一部のリフォームでは暖冷房効率が悪いこともお伝えしました。全部の窓を工事することを条件としたSIIの補助金を申請できる時期でもありましたし」

住まい手が抱える問題と希望するリフォームの手法がマッチしていない…これは、エコリフォームの現場で珍しいことではありません。
製品情報はインターネット上にあふれていますが、それぞれの住まいの環境や困りごと、予算は千差万別。プロの提案はそこを見据えた上でのものと考えてよいでしょう。

木村さんの見積を見て「夫は即決。私は『ボーナスとばせばいいのか』と思いました」とTさん。固定資産税の減免もあったしね、と笑いました。
素早い決断の裏には、いくつかの要素がありそうです。
①住まい手が事前に多くの情報を得ており、すぐ比較検討できた
②有用な補助金・助成を利用できる時期だった
③リフォーム手法にこだわりがなかった=問題(結露)解決を第一に考えた
エコリフォームを考える際の参考になるのではないでしょうか。


もとからある額縁にフィットし、出っ張り感のない内窓

外窓は大きな2枚が引違い、右端がFIX。エコガラスの厚みを4ミリと他の窓より1ミリアップし、窓のサイズとのバランスを取った

カーテンボックスがせり出していることで、内窓の出っ張りが感じにくい。内窓は3枚とも可動し、外窓のFIX部分も掃除が楽

和紙風の意匠をほどこしたエコガラスを木調デザインの組子にはめこんだ、和室の内窓

引違いタイプの内窓で外窓全体をカバーした北向きの窓

内窓はもとからあった額縁におさまっている。出っ張りはゼロ

3人の職人によるリフォーム工事は、1日で終わりました。

T邸のもっとも大きな窓はリビングの掃き出し窓で、FIXと引違いを組み合わせたその幅は2.6m超。
木村さんはこの窓に3枚引きの内窓を提案しました。3枚にすることで外窓の召し合わせ框と内窓の障子框をぴったり重ね、内窓の存在を感じさせない仕上がりになっています。

室内側への内窓の出っ張りは外窓から約13cm。もともと6cmほどあった窓の額縁にふかし枠を足しました。
「大きな窓なので、耐久性を考えて他の窓より厚いエコガラスにしています。その重さを支えるために、ふかし枠には補強材も入れました」と木村さん。

13cmというと「ずいぶん出ているのでは?」と感じますが、以前からの窓枠の記憶に加えて、窓の上部に壁から約21cm出ているカーテンボックスがあることで、不思議なほど気になりません。

リビング以外の窓には、もとからある額縁にそのまま内窓がつきました。

和室の内窓は、障子をモチーフにデザインされたエコガラスです。以前は本物の障子が入っていたところにはめ込んだ形になり、違和感も少なく「破れないから取り替えずにすみます」とTさんはにっこり。紫外線による日焼けもありません。

今は転居されているお母様が使っていた部屋の外窓は、引違い窓の下にFIX窓がついています。ここはリビングと同じく召し合わせ框に障子框を合わせた内窓を設置。もとからある額縁にすっきりとはまり、ここにも出っ張り感はありません。

開閉のわずらわしさはありませんか? Tさんに尋ねると「気密がよくなったせいか、外窓を開ける時にちょっと重くなりました。でも開け閉めが2回になることは全然気になりません」
洗濯物を干しにバルコニーに出るときは、重いリビングの窓からではなく和室からにした、とのこと。新しい環境を上手に住みこなしています。

内窓の白い枠は、室内の明るさアップにも貢献しているようです。


一度冷やせばオッケー! エアコンを切っても持続する涼しさ

取材に訪れた日、T邸のエアコンは設定温度27.5℃湿度50%でつけられ、室内は気温約25℃湿度60%弱を示していた。「温度よりも湿度の方が気になります」というTさんは除湿器を愛用し、出勤で室内が無人になるときも除湿器だけは運転を続けているという

子ども室にはほぼ1.2m角の窓が南側に切られている。
住み心地について、高校一年生のご子息はこの夏、外気温が34℃を記録した日も「エアコンなしで部屋にいました」とこたえてくれた

断熱効果をうかがってみましょう。

今年は雨が少なく、真夏のように暑い関東の梅雨ですが、エアコンを動かすのは基本的に夜のみです。夕食どきから運転し、就寝時にはスイッチオフ。静音タイプの扇風機を朝まで回し、薄手の夏がけ布団をかけて眠ります。
朝はスイッチを入れることなく出勤。夕方帰宅したときも急いで回すことはなく「エアコンをつけるタイミングが遅くなりましたね。一度冷やせば大丈夫なんです」
昼間につけるのは、休日など家族全員が揃い、しかも暑さが厳しいときだそうです。

家じゅうの窓は終日閉め切っています。窓から入ってこようとする外気の熱や湿度をエコガラスが遮断することで、涼しく乾いた室内の空気が保たれているのです。

リビング隣の子ども室にはエアコンがありません。工事前、ご子息は自室でしばらく過ごしては「暑い!」と飛び出してきてダイニングで涼んでいたそうです。
今は「趣味のプラモデルやマンガにずっと没頭していられます」とにっこり。内窓が外の熱気を遮り、リビングからエアコンの風が扉のアンダーカットを通じて流れ込んで、快適な室温になっているのでしょう。

冬は石油ファンヒーターによる暖房をやめ、工事後に買い替えた18畳用と8畳用の2台のエアコンがメインの熱源となりました。設定温度は21℃と低めです。
結露がほぼ皆無になったほか、Tさんいわく「暖かい場所を求めなくなりました」
以前はリビングに敷いたホットカーペットに座り、ファンヒーターのすぐ近くに居たのが、リフォーム後はソファに座るようになったというのです。「家じゅうどこにいても、同じ温度なんですね」


「身軽に動きたいからコタツは置きません」というTさんにとって、冬場の室内全体に温度ムラがないことは僥倖でしょう。
ちなみにご子息は、真冬でも家では半袖短パンだそうです。


エコリフォームは省エネのみにあらず。もうひとつのカギ“快適さ”

『トム・ソーヤーの森』と名づけられた、敷地内のプレーパーク。もともと自生していた自然の樹木が緑豊かなスペースを形成している。内部には小道やツリーハウスもつくられている

「お客さまからは『窓のエコリフォームは高い買い物なのに、事前に効果が試せない』とよく聞きます」と木村さん。エアコンや扇風機といった機器類と違い、エコガラスの効果を体感するのは確かに難しいが、ガラス施工・販売店にはさまざまな体験機器も用意されている。試してみるとよいだろう

エコリフォームを考えるとき、必ずついてまわるのが費用対効果の面でしょう。とくに光熱費ダウンを狙っての“省エネ”を目的とする場合、電気料金や灯油購入量がどれだけ減らせるかは大きな判断材料となります。

ところがT邸では、リフォームと同時にエアコンを最新の高性能機器に換え、石油ファンヒーターの使用をやめています。条件自体が変わっているので、光熱費の減少がそのまま“エコガラスの窓に換えたから”とは言い切れないのです。

それでもTさんは「私たちは家の中で快適に過ごしたいほうなので、とても価値がありました。やってよかった」とにっこり。
同じマンション・同じ間取りの住戸に住んでいる知人に「結露を拭かなくていいの! 二重窓いいわよって話しています(笑)」

住まいは日々の暮らしのベース。その環境を心地よく改善することと、住宅のエネルギーコストを下げることとは、本来比較できるものではないはず…Tさんの言葉に、そんな思いがよぎりました。

T邸がその一角を占めるマンションは、内外に草木があふれています。竣工前からあった樹林帯をそのまま残し、住民グループが自ら管理しながら、子どもも大人も楽しめる緑のフィールドとして守ってきました。
取材後、Tさんの案内で見学させていただいた敷地内ではたくさんの子どもたちが遊び、その周囲にはおしゃべりしながらゆったりと過ごす大人たちの姿が。
それは、住環境がお金だけでは計れないことを改めて思い出させてくれる、あたたかな風景でした。


(株)木村ガラス

http://www.kimura-glass.co.jp/index.html


取材日:2016年7月6日
取材・文:二階幸恵
撮影:中谷正人

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