事例紹介/リフォーム

既存の住環境が、新たな住まい手に寄り添った

窓から快適、リフォームレポート -引っ越し直後のエコリフォーム 東京都 K邸-

Profile Data
立地 東京都世田谷区
住宅形態 RC5階建マンション(1998年竣工)
住まい手 夫婦+子ども1人
間取り 洋室2・LDK
リフォーム工期 2009年8月(1日間)
工事費用 断熱改修255万円
窓リフォームに使用したガラス エコガラス・合わせガラス
利用した補助金等 平成21年度環境省地域協議会民生用機器導入促進事業/省エネリフォーム減税(固定資産税の減額)

既存の住環境が、新たな住まい手に寄り添った




緑豊かな郊外と大きな街のまんなかには、それぞれ違った住まい環境があります。
風景や近所のにぎわい具合のほか、目に見えにくいものや、住んでみなければ想像すらできないことも。
郊外から都心に移ったKさんご一家のエコリフォームは、そんな住環境の変化がもたらした体験がきっかけでした。

郊外から都心へ。引っ越し後に遭遇した「街ならでは」の困りごと

直下に2車線の道路が通るK邸。幹線道を結ぶ位置にあるため、住宅街ではあっても交通量は多い。

直下に2車線の道路が通るK邸。幹線道を結ぶ位置にあるため、住宅街ではあっても交通量は多い。

南側に掃き出し窓のある洋室も、隣にある寝室同様に地上レベルの車の騒音に終日悩まされていた。

南側に掃き出し窓のある洋室も、隣にある寝室同様に地上レベルの車の騒音に終日悩まされていた。

2009年の春、もうじき生まれるお子さんとの新しい暮らしにと選んだのは東京都区内、最寄りの駅からもほど近い築10年ほどの中古マンション。広いルーフバルコニーがついた4階西南の角部屋です。

引っ越して驚いたのは、思いがけない「騒音」でした。
「思いのほか交通量が多く、とにかくうるさくて。そのうち慣れるかなって思ってたんですが…」

K邸は住宅街に建っていますが、そこは東西を幹線道にはさまれ、一日を通じて交通量が多い地域だったのです。マンション直下には交差点があり、信号待ちのトラックの低いエンジン音やオートバイの発進音は、とくに出産前の産休で一日の大半を家に居た奥様にとって大きなストレスとなりました。
さらに周囲には中高層の建物が多く、地上レベルの音が反響して上にのぼってきやすい、という都心ならではの状況も。
「もう耐えられなくて。インターネットで検索して、思い当たったところあちこちにメールして防音の相談をしました(奥様)」

このSOSにこたえたのが(有)旭建硝の中西さんでした。
その日以来、約1年にわたってやりとりされた数十通ものメールには、見積から提案・検討、施工、補助金申請にいたるまで、住まい手と施工者の間で交わされた忌憚のない真摯な思いがつまっています。
「中西さんには相当勉強させてもらいました」と当時を振り返るご夫妻と中西さんの笑顔は、醸成された信頼関係のなによりの証しでしょう。


強い西日が、日当りと開放感への期待に立ちはだかった

ルーフバルコニーにつながるリビングの西側窓のガラスは、リフォーム前は西日を受けて「アチッとくるほど」熱くなり、さわることができなかったという。

ルーフバルコニーにつながるリビングの西側窓のガラスは、リフォーム前は西日を受けて「アチッとくるほど」熱くなり、さわることができなかったという。

音の悩みから始まったK邸リフォームは、見積に訪れた中西さんの一言から、住まいの温度環境の改善へと広がっていきました。

騒音がひどい南側居室を経てリビングに足を踏み入れた中西さんは、ルーフバルコニーに通じる西側のテラス窓を見て「ここ、西日が強いですよね」。
「ああそうですね、とは答えたんですが、そう言われるまで音のことばかり気になってエコや遮熱はまったく考えていませんでした(笑)」とKさん。

ここに来る前にご夫妻が住んでいた賃貸マンションは東向きで、昼前には日が当たらなくなり、寒さがこたえる部屋だったといいます。その経験から、新居の間取りを見たときも「南と西に窓があれば一日中明るいし、暖かくていいかな」と思ったとのこと。

しかし、さえぎるもののない西日はやはり厳しいものでした。

午後3時を過ぎると、日差しをまともに受けるテラス窓のガラスはさわれないほど熱くなり、さらにはバルコニーから反射する熱気が窓を通じて室内に入り込んで「リビングは蒸し風呂のような暑さ(奥様)」に。窓際のソファも焼けるほど熱を持ち、直射日光を防ぐためにやむなくよしずを立てかけました。
加えてK邸のリビングは上階ルーフバルコニーの下にあたり、そこからの熱も天井を通して伝わりす。「この部屋が一番暑かった」Kさんの言葉通りの状況でした。

日当たりがよくないぶん夏涼しかった郊外の住まいから、明るく豊かだけれど少し強すぎる日差しに都市熱やヒートアイランド現象も加わり、厳しい暑さにさらされる都心の住まいへ。
予想外の変化に直面したご一家の住環境を改善すべく、窓のプロ・中西さんが動き出しました。


防音>エコ? 使い方重視、かつ性能もあきらめないガラスを選ぶ

左側が隣の住戸との戸境壁になっている寝室。正面の腰高窓部分だけが外気に触れるので、内窓には断熱より防音重視で合わせガラスを選んだ。

左側が隣の住戸との戸境壁になっている寝室。正面の腰高窓部分だけが外気に触れるので、内窓には断熱より防音重視で合わせガラスを選んだ。

厚さ6mmの透明ガラスを2枚使った合わせガラス。質量が高いほどガラスの防音効果は高く、この窓は国内トップクラスの防音性能を持つ。断熱効果もある。

厚さ6mmの透明ガラスを2枚使った合わせガラス。質量が高いほどガラスの防音効果は高く、この窓は国内トップクラスの防音性能を持つ。断熱効果もある。

分譲マンションで外窓の変更がきかないK邸の窓リフォームは、内窓設置が大前提です。はめこむガラスをどうするか。住まいの現状とコスト双方をにらみながらご夫妻と中西さんは検討を重ねました。

騒音解決が第一の南側居室の窓には、合わせガラスが選ばれました。断熱効果はエコガラスに軍配が上がりますが、防音とコストパフォーマンスにすぐれたガラスです。ここには中西さんのある考えが。

「寝室はお隣の住戸に接しているので、窓のある壁1面のみが外気に触れています。外の冷気や熱気はこの小さめの窓から入る分だけなので、がんばりすぎず防音重視で大丈夫ではと考えました」。 同様に隣室の掃き出し窓も「外のテラスに立つ壁や上階バルコニーの床が庇になるおかげで、直射日光の入り方も少ない状態でした」。

これを引き取ってKさんが続けます。
「ずいぶん相談して、家じゅうエコガラスとか全面防音ガラスとか全部見積も出してもらって。その上で、ここは寝るところになるはずだから防音メインで行きましょうとなったんです。助かりました」。

内窓設置後の寝室は「うるさいオートバイの音が聞こえるくらいで、ほかは全然気にならない」と、騒音問題は見事に解決。

合わせガラスは断熱にも力を発揮しました。
リフォーム後の昨冬、寝室の暖房は一度も使われなかったといいます。「全然いらなかった。朝もあったかいなって思って起きていました」
防音のため、暑さを感じても窓開けができない夏は、就寝前に28度程度に設定してエアコンを使用。
「すぐに冷えますよ。で、冷えてきたなと思ったらスイッチを切っちゃって、朝までそのまま。断熱効果はかなりあるんじゃないでしょうか」

「生活空間の中心はリビング。寝室は就寝用スペース」と割り切り、そこで求められる窓の性能を考えたエコリフォームとして、これは参考になりそうです。


20畳の部屋がエアコン一台で年中快適。暮らしに溶け込むエコガラスの窓

南側(向かって左)に1箇所、西側に2箇所の窓とルーフバルコニーがあるK邸リビング。「育てている緑がしおれないように」と、リフォーム後もよしずが立てられている。

南側(向かって左)に1箇所、西側に2箇所の窓とルーフバルコニーがあるK邸リビング。「育てている緑がしおれないように」と、リフォーム後もよしずが立てられている。

内窓用ふかし枠は木調の柔らかい焦げ茶色を選択。「外窓の黒い枠より部屋になじむし、出っ張りも気になりません」と奥様。

内窓用ふかし枠は木調の柔らかい焦げ茶色を選択。「外窓の黒い枠より部屋になじむし、出っ張りも気になりません」と奥様。

リビングの窓は南に1つ、西に2つあり、ここにはエコガラスが採用されました。
工事は8月の暑いさかり。内窓設置の瞬間に立ち会ったKさんは「日差しが柔らかくなって今までと全然違う。驚きました」
出産を終えてお子さんと一緒に実家から戻った奥様も「すごくまろやか。前はピリピリジリジリきていた日差しが、窓をつけたらすぐにとても柔らかくなりました」と振り返ります。
工事後に訪れたKさんのお母様も「前とはだいぶ違うね」とおっしゃっていたとか。

リフォーム前は低い設定温度で終日回していたエアコンも、その後は「ガンガンかけなくても足りるように」なりました。西日の遮蔽が目的だったよしずも、今はバルコニーで育てている緑のためかな、とKさん。

冬場の暖房はエアコンのみ、それも「晴れていれば、真冬でも日が陰るまでつけませんでした」とのこと。床にコルクも敷いちゃったし、そんなに気にならなかったね、と、1才の誕生日を迎えたばかりの娘さんに笑顔を向けるご夫妻です。

こうして、キッチンを加えれば20畳ほどになるK邸のリビングダイニングは、真夏も真冬も12畳程度用のエアコン1台で快適に保たれています。ヒーターや床暖房を使わないことで、省エネ効果も自明でしょう。

木調サッシを選んだ内窓のデザインは奥様のお気に入り。「焦げ茶色の枠は柔らかい感じで部屋とのなじみもよく、前より良くなったと思います」。
ふかし枠をつけての内窓設置でしたが「工事後に帰ってきた時から圧迫感はまったく感じません」の言葉に、室内との調和に成功して内窓が暮らしに溶け込んでいる様子がうかがえました。新しい窓枠に合わせたカーテンレールの位置変更も、功を奏しているようです。


既存の住環境を新たな住まい手にフィットさせるエコリフォーム

K邸エコリフォームで採用された内窓の枠は、室内側に樹脂、室外側にアルミ素材を使い、気密性や堅牢性を向上させている。

K邸エコリフォームで採用された内窓の枠は、室内側に樹脂、室外側にアルミ素材を使い、気密性や堅牢性を向上させている。

住み慣れた家だけでなく、新しい住まい環境を得た家族にもエコリフォームが貢献できることを、K邸の例は教えてくれる。

住み慣れた家だけでなく、新しい住まい環境を得た家族にもエコリフォームが貢献できることを、K邸の例は教えてくれる。

ルーフバルコニーのプランターには、よしずに守られるようにしてゴーヤとツルインゲンが育っています。
「西日対策でグリーンカーテンをつくってみようと思ったんです。それに、目の前の道路から来る排気ガスもあまり体に良くないんじゃないかと」
奥様の話に「空気の浄化に効果があるかはわかりませんけどね」と笑いながらKさんが付け足しましたが、家族の健康への気遣いとともに、人工物に囲まれた都心にあって緑に対する思いが素直に表れた言葉ではないでしょうか。

ゴーヤのほかにも、バルコニーにはいくつもの植木鉢が並んで娘さんのあんよの練習に彩りを添えています。以前の住まいのベランダは狭くて布団干し程度にしか使わなかったと聞けば、新たな住まいがひとつのライフスタイルをも運んできたといえるでしょう。

初めての土地への引っ越し後まもなく行われたK邸の内窓設置。
その顛末は、エコリフォームとは住まい手の変化に合わせて住み慣れた家を昇華させるにとどまらず、既存の住環境をより良いかたちで新しく住まう人にフィットさせていく、そんな一面もあることを教えてくれているようです。
竣工以来3番目の住まい手というKさんご一家と出会い、住み継がれていくこの家に、静けさと快適さという新たな色を運んだエコガラスのリフォームでした。


(有)旭建硝

取材・文:二階幸恵
撮影:中谷正人
エコリフォーム成功のポイント
  • 施主と施工者間での忌憚ないやりとり
  • 問題解決の優先順位を念頭に素材を検討

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