事例紹介/リフォーム

天空の暮らしをやさしく支えるエコリフォーム

窓から快適、リフォームレポート -病床で出会ったエコガラス 東京都 T邸 マンション-

Profile Data
立地 東京都多摩市
住宅形態 RC18階建マンション(2007年竣工)
住まい手 夫婦
間取り 4LDK
リフォーム工期 2009年7月/2010年2月
工事費用 断熱改修255万円
窓リフォームに使用したガラス エコガラス
利用した補助金等 住宅版エコポイント申請

天空の暮らしをやさしく支えるエコリフォーム



標高150m。素晴らしい眺めと厳しい環境を併せ持つ住まい

バルコニーから西方向を望めば、高尾山をはじめとする関東山地東縁の山々が連なる。

バルコニーから西方向を望めば、高尾山をはじめとする関東山地東縁の山々が連なる。

換気窓と24時間換気システムで、頻繁に窓を開けずとも室内の空気は清浄に保たれている。リビングの緑もイキイキ。

換気窓と24時間換気システムで、頻繁に窓を開けずとも室内の空気は清浄に保たれている。リビングの緑もイキイキ。

T邸エコリフォーム第1弾となった、北西面腰高窓。外窓の額縁に内窓がすっきりおさまり、圧迫感も皆無。

T邸エコリフォーム第1弾となった、北西面腰高窓。外窓の額縁に内窓がすっきりおさまり、圧迫感も皆無。

窓の外には丹沢・秩父の山々から高尾山、遠くは富士山までが一望!緑濃い多摩丘陵の一角、標高約110mの丘の上に建つマンションの14階が、Tさんご夫妻のお住まいです。
「バルコニーから見渡す雪景色や桜の写真を撮ることが、ここでの一番の楽しみ」と話すTさんが、お隣の相模原市からこの地に居を移したのは一昨年の春。もとからお住まいだった高齢のご両親の身を案じての決断でした。
現在は奥様とおふたりの静かな毎日です。

Tさんが長年ぜんそくの持病を持っていたこともあり、ご夫妻は夏も冬も基本的にはエアコンに頼らず、家の中の空気の流れをできるだけ穏やかに保って暮らしてきました。
この家に越してきてからは、高層マンションにつきものの強風への対処もあり、窓を開け閉めするよりも、不織布を張ってほこりや黄砂を防いだ換気窓を上手に使いながら、室内の空気環境を整えています。

「部屋の中を風が流れるのが苦手だから、こまめに窓を開けるという感覚がないんでしょうね」と語るTさんご夫妻にとっては「光と風景を取り込むこと」が、窓の主な役割といえるかもしれません。

しかし、入ってくるのはいいものばかりではありませんでした。
夏暑くて冬寒い内陸型気候の土地柄+地上約40mの高層階の部屋という環境のもと、38度にもなる真夏の熱気と、0度を軽く下回る冬の冷気も、光と一緒に窓を通して室内に取り込まれていたのです。

「冬場に結露が凍ったのには、びっくりしました。窓から床に水滴が落ちてたまるので雑巾をおいておくと、今度は雑巾がパリパリになってね。昔を思い出しましたよ(笑)」
夏は夏で、遮るもののない直射日光が夕方まで寝室の窓に当たるため、昼間から厚い遮光カーテンをひいて、涼しくなる日没を待ったといいます。エアコン設備もありますが、体質的に受けつけないためスイッチは切ったまま。「動かなければそんなに汗はかかないし、かいたときにはシャワーを浴びるという生活でした」とTさん。

そんなとき目にしたのが、エコガラスを使った窓リフォームのチラシです。窓そのものはマンションの共有で加工ができないため、選ぶまでもなく工法は内窓設置に。
取付け場所はTさんの寝室です。夏は西日、冬は北風が直撃する北西側の腰高窓1枚からの、T邸「おためし」エコリフォームは、2009年7月のことでした。埼玉・東京・神奈川エリアで窓のエコリフォームに取り組む(有)旭建硝が手がけた工事では、もとからある白い額縁に色を合わせたエコガラスの内窓が、すっきりとおさまりました。


長い病棟生活を快適に保った病室の窓はエコガラス

使われたエコガラスの仕様:Low-Eガラス3ミリ+中空層12ミリ+フロートガラス3ミリ

使われたエコガラスの仕様:LowーEガラス3ミリ+中空層12ミリ+フロートガラス3ミリ

内窓の効果を体験して「うん、全然違うなあ」と思ったのもつかのま、直後に重い病がTさんを襲います。8月から翌年の2月まで、半年にもおよぶ長い入院生活でした。そんな中で、思いがけずTさんはまたエコガラスに出会ったのです。

入院していた南西向きの病室の寝具は、夏も冬も変わりなくタオルケットと薄手の羽毛ふとん。こんなに薄くて平気なのかと最初は心配したものの、実際には暑さも寒さもまったく感じなかったといいます。
ところがあるとき、ベッドの上でいつもと違った寒さを感じ、「開いているのかな?」とTさんは窓に目をやりました。するとそこに、エコリフォームした自室と同じ内窓がはまっているのを発見。
ちょうど居合わせた奥様を思わず呼んで、一緒に確認したそうです。その内窓がほんの少し開いていたのが寒さの原因で、エコガラスと内窓の力をご夫妻そろってまのあたりにした瞬間となりました。

これなら西日も北風も大丈夫だ。そう確信したTさんは、病気が快方に向かうとともに、再度旭建硝にエコリフォームを依頼します。退院日にほぼ合わせるかたちで、今度は自室南側の掃き出し窓と、奥様の部屋にある2つの窓とに内窓をつけました。

「病院で経験できてラッキーでしたよ。こんなにいいものだったら、もっと早くつければ良かった」とTさん。病床という、ふだんの生活以上に快適さや安定が求められる環境でのエコガラス体験が、Tさんにとってより鮮明な効果の実感となった…そんな一面も、もしかしたらあるのだろうか、ふとそんな気がしました。


穏やかな暮らしに似合う、窓からの柔らかな光

Tさんの自室。今年の夏は遮光カーテンもお役御免となるだろう。使われたエコガラスの仕様:Low-Eガラス4ミリ+中空層10ミリ+フロートガラス4ミリ

Tさんの自室。今年の夏は遮光カーテンもお役御免となるだろう。使われたエコガラスの仕様:LowーEガラス4ミリ+中空層10ミリ+フロートガラス4ミリ

奥様の部屋の内窓には、ナチュラルな木目調のサッシが選ばれた。
使われたエコガラスの仕様:Low-Eガラス3ミリ+中空層12ミリ+フロートガラス3ミリ

奥様の部屋の内窓には、ナチュラルな木目調のサッシが選ばれた。使われたエコガラスの仕様:LowーEガラス3ミリ+中空層12ミリ+フロートガラス3ミリ

高層階のバルコニーに育つ緑。夏場の暑さ軽減にも一役買っている。

高層階のバルコニーに育つ緑。夏場の暑さ軽減にも一役買っている。

退院し、養生しながらリハビリにも励むTさんと奥様の日常は、それぞれの自室を中心にゆったりと流れています。これから迎えるのは、病院に続く「住まいでのエコガラス体験の夏」。

控えめではあってもエアコンでの室温調節が必要になるリビングより「暑くても、僕は自分の部屋にいるんです」と語るTさん、昨年までは遮光カーテンで暗くなった部屋でラジオを聞いて過ごし、パソコンも熱を発生するためあまり使わなかったとか。

今年の夏は、カーテンを開けた明るい部屋でのひとときが楽しみです。

Tさんと同じく、奥様もあまりエアコンが好きではなく、リビングより自室にいる時間が比較的多いとのこと。2度目のエコリフォームで内窓がついた3月からは「すごく暖かくなりました。全然違いますね」とにっこりしました。以前使っていた暖房をやめ、今はエアコン代わりの小さな足温器ひとつで「快適です」。冷房なしの夏への期待にも、エコガラスの断熱力は十分応えてくれることでしょう。

眺めのいいバルコニーには、Tさんが丹精したプランターの緑が育っています。夕方に水をやると、夏はずいぶん涼しくなるとか。「去年までは、日差しを遮るために南側窓の前に網を張ってアサガオを育てていたんです。でも窓リフォームしたから、今年はアサガオはやめようかな(笑)」とTさん。

エコガラスを通って射し込む柔らかい光が、今もリハビリを続けるTさんにいっそうの元気を届けますように…。そっと祈りながら、帰途につきました。


(有)旭建硝

取材・文:二階幸恵
撮影:中谷正人
エコリフォーム成功のポイント
  • 闘病・療養の場でエコガラスの性能を強く体感
  • 住まい方を考え、利用頻度の高い部屋に限定した改修

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