事例紹介/リフォーム

ようこそ、我が家へ 〜仲良し家族の完全二世帯快適住宅〜

開口部にこだわった新築レポート -東京都 K邸-

Profile Data
住宅形態 木造地上2階建て(長期優良住宅)
住まい手 夫婦+愛犬/父+愛犬+愛猫
敷地面積 157.12m2
延床面積 124.74m2


今月の家を手がけた建築家:大庭明典(大庭建築設計事務所)


取材企画協力:OZONE家づくりサポート
<建築家選びから住宅の完成までをコーディネートする機関です>

玄関扉はふたつ。上下階で世帯を分離

起伏のある地形と、住宅地ながら豊かな緑が点在するK邸のロケーション。設計者の大庭さんとは、土地探しから一緒に家づくりを始めた。
2つの玄関は引き戸で隔てられ、いつでも開けることができる。Kさん世帯の玄関からお父様世帯側を見たところ。

縁結びのお寺として、また名物の蕎麦でも有名な深大寺にほど近い住宅街。その一角に建つK邸は、黒いガルバリウム鋼板の外壁に素朴な風合いの木の目隠しがほどこされた、特徴ある外観です。
玄関に並ぶのは、強化エコガラスがはめ込まれた2つの扉。今回は、上下に分離しつつ家族のつながりを確保した、明るくのびやかな二世帯住宅の物語です。

住まい手はKさんご夫妻とお父様。道路拡張でお父様の家が土地収用の対象になったことが、別々に暮らす家族をひとつ屋根の下に引き寄せました。

Kさんも少年時代を過ごした家では、4世帯の親戚同士が建物を共有しながら、おのおの固有の扉で出入りする、集合住宅のような住まい方をしていたといいます。その記憶はおのずとKさん・お父様双方の「扉は分けて、でも出入りは気軽にでき、それぞれの空間で暮らせる家に」という思いにつながっていきました。

ほかにどのようなご希望を?と水を向けると、3人とも少し困った表情に。Kさんいわく「びっくりするくらい、みんなあまりこだわりがないんですよ」。
住まい手とは旧知の間柄の設計者・大庭明典さんは、当時を振り返り「最初に『絶対見せ合わないで』と言って個々に希望アンケートを取ったんですが、お父さんは息子の、Kさんは奥様の、奥様はみんなの好きなように…って、それぞれ書かれてあったんですよ」と笑いました。

その後、打合せを重ねる中で「近くに住むKさんのお姉さん一家も含めて、とても仲のいいご家族という印象を持ちました」と大庭さん。
つむぎ出したのは「互いの行き来がしやすく」「上階下階の二世帯住宅でも、天井が高くて明るい」家でした。


日当たり抜群の1階、異なる空間を持つ2階

キッチンから見る1階リビング。天井高は約2.6m、掃き出し窓の外はテラスが続き、豊かな自然光を取り込む。仏壇が置かれた3畳の畳スペースは住まい手お気に入りの場所。
すべての窓に、内側が樹脂、外側がアルミの複合サッシが採用された。
1階リビングから入口側を見返す。強化ガラスの内扉を通して、玄関扉からの外光を取り入れている。対面型キッチンの奥には通風用の窓も。
深い軒のバルコニーは、デッキの半分がスノコ状のFRPグレーチングになっている。
1階テラスより2階デッキを見上げると、グレーチングから十分な光が通ってくるのがわかる。
収納を境に、高窓の下はリビングより2段分低くなり、水まわりなどサービスコーナーが集中するほか、廊下や書斎が別空間を構成している。
北側ゾーンの一角、階段手前の書斎コーナー。窓の外は玄関上部にあたり、サービスバルコニーになっている。

1階は「寝るところとちょっと広めのリビング、あとは畳が少しあればいい」とだけ希望したお父様の家。大庭さんが特に力を入れた部分のひとつです。
「日の入り方への配慮に加えて、リビングは少し『違った感じ』にしたいと考えました」

リビングは、天井がキッチン側より40cmほど高く、南のテラスに向かって開かれた掃き出し窓がほぼそのいっぱいまで切られています。

「光はけっこう入ってきますよ。冬場の朝なんかはリビングの奥まで入って明るくなる」と語る住まい手のお気に入りは、予想に反してソファーではなく、よく日の当たる畳スペースです。
「新聞を読みながらくつろぐのは、いつもここ」とにっこり。日差しの持つ力がうかがえました。

Kさんご夫妻が住む2階は片流れの天井と大開口、高窓のある、こちらも明るい空間です。リビングの床が書斎や水まわりなどのユーティリティから2段分スキップし、収納を境に2つのゾーンに分かれています。

キッチンからダイニング、ソファーを経てテレビコーナーまでが直線的に連なるリビングゾーンに「開放感、清潔感を感じます」とKさん。南には自然光を取り込む3つの窓が開き、張り出した1mの軒が夏場の強い日射をカットします。

さらに、豊かな陽光を1階に落とすため、バルコニーデッキの半分はスノコ状にしました。

一方、2段下がった北側ゾーンは水まわりのほかに廊下や書斎コーナーがあり、住まい手が口を揃えて「別空間」と呼ぶ、独特の空気感を持つスペース。
「出かける時、リビングからここに下りると『さあ行こう』という気分になれるんです。照明もリビングと違うし、なんとも形容しがたい空間ですね」

「もともとは1階の天井高を取るためにできた段差ですが、書斎としても面白いなあと思って」と大庭さんは話します。近所に住み、よく訪ねてくるKさんのお姉様も「いつもこの段差にちょこんと座って話をしていく」とのこと。

偶然生まれたレベル差は、住まいの中にもうひとつ、豊かな陰影と居場所をつくり出したようです。


窓の半分はエコガラス。夏は熱がこもらず、冬は底冷え・結露ゼロ

高さ約3.5mのエコガラスの高窓が、リビングに光と風の恩恵をもたらす。天井には調湿効果のあるケイ酸カルシウム板を張った。
1階寝室。南側窓には庇もなく、直射日光の熱に対するエコガラスの断熱・遮熱性能が試される部屋だが、真夏もエアコンなしで閉め切って就寝できる。
ソーラーシステムのダクトは2階寝室を通って床下まで続き、屋根で暖められた空気が1階の寒さを和らげる。
ソーラーシステムで床下にためられた空気は、1階床に点在する吹出し口から流れ出す。

K邸は長期優良住宅の認定を受けた家。住まいとしての高い性能がそこかしこに見受けられます。

25箇所に及ぶ窓は、北側を中心に多くのエコガラスが採用されました。

こだわりの少ないKさんご夫妻が、家づくりにあたって最初に望んだのは「結露と底冷えのない家」でした。以前住んでいたマンションは角部屋ながら日当たりが悪く、ひどい湿気で発生したカビの「恐ろしい光景を目にしていたので(笑)」。

現在は? の問いにKさんは笑顔で「結露は一度も見たことがありません。もう感動的!窓拭きが好きで、高窓部分も近くまで上ってやるんですが、1年経っても窓もカーテンもぜんぜん汚れない。本当にすごいなって」
当初は図面に描かれた窓の多さに「掃除が大変ではと、ぞっとした」Kさん、お父様の「今は喜び感じてるんじゃないの」の突っ込みに、笑いながら「確かに、拭くたびに、まだきれいだなっていう喜びがあるね」と返しました。

高窓と掃き出し窓を同時に開ければ、南北の風の流れはさらに良くなります。「気候のいいときは書斎の前にあるサービスバルコニーの窓も開けています」と奥様。節電が励行された昨年の夏は、窓開けと扇風機主体でがんばりました、と振り返りました。

エコガラスの高い断熱・遮熱効果も実感されています。

2階リビングは開口部が多く、床暖房なしでエアコン1台のみという状態ですが「真冬の朝でも室温は16、17度。10度を切ることはありませんでした。足元の冷えも一切なかったし」

夏は夏で、南に大きな窓がある1階寝室でお父様が「寝るときはエアコンも何もつけず、窓もドアも閉め切って」就寝しています。
さすがに真夏は熱がこもるのでは? と心配になりますが、とくに気にならないとのこと。「すごいです。庇もないので、この部屋の室温維持は本当にエコガラスの力によるものなんですね」と大庭さんも驚く断熱・遮熱力が発揮されているようです。

さらにK邸では、2階の軒天部分に設けられた給気口から外気を取り込んで屋根に送り、暖まったら床下に送って室内に吹き出すソーラーシステムも導入しています。
「2階はきっと日当たりがいい、でも1階はどうだろう? と。このシステムで1階も暖まればいいと思ったんです(Kさん)」

屋根で暖められた空気はダクトを通って床下にたまり、吹出し口から出て1階を暖めます。「歩いていると、床のところどころが暖かいんですよ。ほかに暖房はエアコンだけですが、それもあまり回さないなあ」お父様の言葉に「オンドルのような感じですね」と大庭さんがうなずきました。
エアコン1台で快適な室内環境を保っているこのシステムは、夏には室内にこもった熱気を外に逃がす役割もあるそうです。


それぞれに、そしてみんなで、楽しみを見つける家

2階リビングは読書やオーディオを楽しみ、家族の絆を深める大切な空間。居心地の良さは、愛犬にも伝わっているようだ。 無垢のチェリー材を使った幅広のフローリングに、カーテンを通して美しい紋様が揺れる。「2階はまだ植物などを置いていませんが、光で草木の模様が出るんですよ!」

この家で暮らし始めて、仕事場から極力早く帰ろうと思うようになった、とKさんは言います。
「落ち着いて自分の時間を大事にできる、そんな場所を得た感じです。帰宅してからご飯を作って 3人で食べることもあるし。夫婦でいられる時間が長くなって、距離感も近くなりました」
ソファーでくつろぎながら読書を楽しむ習慣もできたといいます。

奥様のお気に入りは、自ら色や幅にこだわったフローリング。窓から入った光がカーテンごしに床に当たると「美しい模様が広がるんです。その眺めがきれいで、すごく好きですね」
古いものは持ち込まず、ほとんどの家具を家に合わせて選んだことも「楽しかったです。これからも時間をかけていろいろ飾ったりしていきたい」と、新たに生まれたインテリアに対する興味に声を弾ませました。
そして、愛犬を室内での放し飼いからリビングでのケージ飼いに切り替えたお父様は「毎日、朝晩合わせて1時間半くらい散歩するようになりました。犬もやせたし、自分の健康にもいいね(笑)」

住まい手それぞれに新しいライフスタイルを提供しながら、最小単位の社会である家族相互のつながりを支える家。2つに分かれた扉の奥に満たされていたのは、優しくそしておおらかな家族の一体感でした。


取材日:2012年3月25日
取材・文:二階 幸恵
撮影:中谷正人

今月の家を手がけた建築家:大庭明典(大庭建築設計事務所) 取材企画協力:OZONE家づくりサポート <建築家選びから住宅の完成までをコーディネートする機関です>

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