工務店・ガラス店のみなさま/スペシャルインタビュー

「できない知らない」は禁句常に学び、オールマイティに 丸勝建材工業株式会社 代表取締役 三代川勝良さん

三代川勝良(みよかわ・かつよし)
1943年生まれ。建材会社勤務を経て1984年外壁工事会社を設立。旭硝子(株)の建材部門と密に連携しながら、工事業務のほか、新商品開発への参画・施工システムの提案・トップショップやメーカースタッフ向け各種講習会や講演など多彩な活動を展開。提供したアイディアはいくつもの建材商品に姿を変えて現在も使われている。

豊富な経験と歯に衣着せぬ物言いは業界のご意見番としてつとに知られ、メーカーのトップや研究者などとも幅広い交流を持つ。趣味の卓球ではかつて実業団選手として活躍。現在は地域の卓球教室の指導者として活動し「2~3時間は休まずに打ち合えますよ」。週に数回は5kgの鉄アレイを持ち上げ、スクワットや腹筋は毎日欠かさないアスリートである。


新築でもリフォームでも断熱は基本

2階建の1階部分が事務所となっており、表札も出していない。はた目には一般住宅にしか見えない仕事場の佇まいは、静かな住宅地に溶け込んでいる

──創業以来、建設工事や建材販売以外にガラスメーカーの新商品開発やプロ向けの講習会など、多様な業務に携わってこられました。現在のお仕事は。

住宅リフォームが主です。屋根・壁・床・天井そして開口部を含む総合リフォームで、塗装や水まわり、外構工事も手がけます。

旭硝子の開発部長を通じて室蘭工業大学の鎌田紀彦先生とも何度かお会いし、以来、住宅建設の基本として断熱をもっとも重視してきました。
新築でもリフォームでも壁は24Kg100mmおよび天井は高性能14Kg155mmの断熱材を入れ、サッシは日本という気候風土下での耐候性やメンテナンス性を考え、ガラスはLow-E、アルミと樹脂の複合サッシを選んでいます。
地場のハウスメーカーにPGサッシと高断熱パネル工法の良さを説明し、数十軒の建売住宅を手がけたこともありました。

──断熱をしっかりやるとコストは上がりますが、ハウスメーカーは受け入れたのですか。

高いというのはよそと比べて高いのか、今出す金額が高いのか。材料・手間・機能性・耐久性を含めて時間が経過しなければ、本当に高いか安いかはわかりません。
建て始めて最初の頃に内覧会をやりました。来場する方に快適さを実感していただいたら、次々に注文が来て。団地エリアの近くだったのですが、そこに住んでいた方々があっという間に買って引っ越されたんですよ。

ある程度の初期投資をしないと後々問題が起きるので、やるときは思い切ってやった方がいいと考えています。
だから、分譲業者からの仕事であっても安く請けることは絶対にしない。それが、売れ行きも評判もいいという結果につながったのでしょうね。


快適さを求めてもらわねば困る

事務所の壁は三代川さんが自ら考案した断熱防音仕様。32kg50mmの断熱材・遮音シート・構造用合板・ボードを重ね、内装には不燃化したタモ材の12mm化粧板を張っている

──家づくりやリフォームで大切にされていることは何ですか。

自社物件は、新築でもリフォームでもすべて高断熱仕様で、開口部は100%エコガラスを使います。断熱材とガラスは常にセットで考えますね。断熱すれば防音性能も上がります。

──「旅行先の宿と比べて遜色のない住宅をつくる」とおっしゃられていますが、その意味は?

“粗末でない快適な家にする”ということですね。
耐震面での安心はもちろん、デザイン性、使い勝手の良さ、そしてくつろげる空間を、と考えています。

お施主さまの要望は、構造面や強度面以外はすべて受けます。だから“快適さ”を求めてもらわないと困るんですよ。
でも、暖かさや涼しさといったものは、体感せずに理解するのが難しい。私は「魚を入れる発泡スチロールの箱に手を置くと暖かいでしょう?」 といった例え話で説明しています。断熱性能や強度の説明は、理解していただけるまで時間をかけてきちんとやりますね。

もうひとつ大切なのは、お施主さまに『この家は自分が考えてつくった』と思ってもらう、家づくりに参加してもらうこと。
リフォームでは主に素材選びですね。新たに入れる機器類の性能、例えば浴槽のサイズはショールームで実際に体感して使い勝手を確認していただくなどしています。木材なら、製材加工場や銘木展示場に案内することもあります。
時間はかかりますが、結局はお施主さまの理解を得る早道です。

──エコガラスについても、同様ですね。

ところがガラスは難しいんですよ。
白熱電球の熱をガラス越しに感じる展示はあっても“空間の中に入ることができる展示”がない。そんな体感ができるショールームがあればいいと思うのですが…


身体にやさしく、けれど“老け込まない”家を

仕事のほとんどは取引先や知人からの紹介で依頼される。手がけた家の施主とは長く関わり続け、メンテナンスや設備機器の交換時期にはアナウンスをし、住まいの健全さを保つ手助けをするのが常。「創業時からずっとおつきあいしているお施主さまもいます」

──高断熱の家の住み心地を、お施主さまはどのように感じられているでしょうか。

工事完了後も、お施主さまとは年に何度か顔を合わせて、その都度様子をお聞きしています。そんなときによく聞くのは「この家は快適だ」という言葉ですね。
以前の住まいと比べて違いが大きいほど、そうおっしゃる方が多いようです。電気代や夏場の寝苦しさの軽減は歴然としていますから。

断熱材でくるんでひとつの空間にすれば、家の中は均一な室温を保つことができます。とくに高齢者や病気を持っている方にとって、温度差は少ない程いい。そういった面で、家はやさしくなければいけません。
お風呂やトイレで倒れる危険性があるのに、一見そうはわからないことも多いですからね。

──快適さは安全にもつながる、ということ。

その一方で、高齢化に向けて“老け込まない家”をつくりたいという思いがあるんです。和室に上がるのに40cmも段差があるような家をね(笑)
世の中すべてが平らならいいのですが、そうでない限り、筋力を使わずに生活できる家ではダメなんです。最低限でも足を上げて暮らさなければ。
それでキツいときには、手すりをつけてあげればいいんですよ。


常に勉強。誰も引き受けない仕事こそ面白い

社内スタッフは3名のみで、工事はすべて外部の協力会社・職人を束ねる。現場ではトップとして采配を振るうほか、工程や納まりなど知識や技術を教える人材育成的な取組も。「ダメならやり直させる。お客さまからお金をいただいているんですから」と言い切る厳格さは、後進を思う心あってこそだろう。事務所の片隅に置かれた昔ながらの製図板に、自ら学び、考え続けようとする姿勢がにじむ
建設・建材業界を長く見てきたご意見番として、その未来を憂う気持ちは強い。「ガラスはもっと高機能ですばらしいものに変えられます。でも目的意識を持ち、スピーディでなければ売れてはいかない。新製品は80%できたら市場に出し、その後改良を重ねていけばいいのです」

──実際の現場でのお仕事の仕方を教えてください。

耐震から断熱面まで、ほとんどの建材はこちらで提供しています。付け方さえ間違わなければ、職人が誰であっても思った通りの家になるからです。
大変ではありますが、自分自身で納得しながらやりたいんですね。

お施主さまの要望の中で初めての施工があれば、一から自分で勉強します。
松煙*を使った本格的な黒漆喰を塗ることになったときは、三重県のメーカーや業者に連絡して手順や配合比率を教えてもらい、私が左官職人に指導しました。酒造メーカーのお社の造りかえも、自分で調べて勉強してやりましたし。

家に関してはオールマイティでなければならない、そう思っているんですよ。『できない、知らない』は言わない。頼まれればなんでも引き受けて勉強します。
お金にならないし時間もかかりますが、みんなが引き受けないような仕事こそ、やっていて面白いですね。

知識を身につければ誰かに教えたくなるし、そういう人がいると周りも努力するようになります。建設業界が従来の受注型から脱皮して情報や知識を売る業界になっていくためには、そこで生きる者の努力が必要と思うんですよ。

そして、いつも柔軟であること。未経験の要望をいただいても「できない」と決めてかからないことです。

ガラス窓だって、常に四角くて引違いでなければという先入観を捨てればいろんなアイディアが出てくるはずなんです。窓だけでなく壁や外部に使えるものにできる要素はまだ残されている。
やろうと思えば、考えは生まれてくるんですよ。



*松煙(しょうえん):松を燃やすときに出る煤を集め、膠と混ぜ合わせて作った伝統的な顔料。深く純粋な黒色を得られ、書道の墨として有名。



取材日:2016年9月14日
取材・文:二階幸恵
撮影:中谷正人

丸勝建材工業株式会社
丸勝建材工業株式会社
千葉県習志野市
社員数 3名
事業内容/新築住宅および総合リフォーム住宅建設工事・建材販売

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