工務店・ガラス店のみなさま/スペシャルインタビュー

チームで仕事する喜びを求めて(前編)

海野昌人(うんの・まさと)
1976年生まれ。経営者を志し、大学卒業後リフォーム会社に3年間籍を置くことで営業力を鍛える。2004年家業であるアルミ建材店の一般向け窓部門として窓工房を開設。2007年ひのまるチェーン東京支部スペーシア大賞敢闘賞、2008年真空ガラス拡販部門感謝状受賞、2009年リグラスカップ総合部門全国10位、真空ガラス拡販部門感謝状受賞。 一貫して「エンドユーザーを相手に直接売る」スタンスを取り、またエクステリアなど他のアルミ建材を扱わない「窓に特化した経営方針」でも知られる。控えめなたたずまいと穏やかな語り口の奥に通底する、強く静かな意志が印象的。防犯設備士・気象予報士


「一般ユーザー向け」に徹して開店。そしてLow-Eに開眼

工場の2階にしつらえられた事務所でお話をうかがった。「窓にこだわった一番の理由は食っていくため。狭く深く突っ込んで行く方が、自分には向いていると思いました」
問い合わせの多くはウェブサイトの閲覧から。「お客さまはすごくよく見ています。僕自身が忘れているような以前のページも読んでいる。僕らのことを相当調べ、その上で呼んでくださるんです」

――お店を立ち上げられたのは若干28歳のときですね。最初から窓専門でとお考えでしたか?

学生の頃から自分で何かやりたい、経営者になりたいと思っていました。でも決めていたのは「一般の方に直接販売すること」だけ。その視点から家業を見たとき、窓が一番ノウハウがあり、やりやすかったんです。

カーポートやエクステリアという商材はホームセンターでも販売されているし、なにより機能ガラスの窓はきっちり寸法取りすることが求められるので、こういった面でも差別化を図れると考えました。

それでもはじめは何が売れるのか、正直わかりませんでした。防犯ガラスだろうと思っていたのですが、ふたを開けたら断熱の方がニーズがあったんです。
当時は実際の売上にはなかなか結びつかなかったものの、HPを見ての問い合わせなどから「断熱ガラスを買いたい人は確かにいて、世の中に求められている。そういうお客さまとの接点が持てていないだけなんだ」と実感しました。

そこでLow-Eガラスについて勉強し、すごく大事なことだとわかって、思い入れが強くなりました。

お客さまへの提案は極力エコガラスです。売上をアップするのが目的ではなく、現実にLow-E膜があるガラスとないガラスとでは、結露の出方から何から全然違うから。
複層ガラスでいいじゃないかとおっしゃるお客さまにも、Low-E膜の大切さはきちんと説明しています。


「説得」ではなく「説明」したい。だから直接の営業対話は最後に

サイト内では、最初の問い合わせから見積、工事、アフターサービスまでの流れを懇切丁寧に説明している。依頼する側の安心感を醸成する要素となっているのは想像に難くない。

――お客さまとの接し方は、面と向かって話す前にまず資料を送って読んでもらったり、採寸後の見積も郵便で送るなどされています。 正式な工事依頼の前までは、少し「引き気味」のようにも見えますが?

お客さまの立場になって考えると、買おうか買うまいか悩んでいるときに直接会って説明されるのは負担になると思うんですよ。
特に女性のお客さまは、この業者は大丈夫だろうかと思っているうちに家に上げるのは、怖いんじゃないかなあ。

買うと決まっていない段階で無理にこじあけてセッティングすると、それは説明ではなく「説得」になります。説得ってすごくエネルギーがいるし、悪い話もなかなかしにくくて、押し売りになってしまう場合もあると思うんです。
しかも、説得で売ろうとすれば結局歩合を付けることになり、付ければまた無理に説得する、という悪循環に陥ります。

悩んでいる人を説得するより、本当に買いたい人に対して説明する方が、お客さまに負担をかけずにすむし僕らにとっても楽ではないかと。
だからうちでは、たとえ数を売ってもほめるつもりも給料を上げるつもりもまったくありません。

――できる限りの情報を提供して十分考えてもらい、納得したところで初めて面と向かって話をする、それが一番いいと。

僕がお客さまの立場だったらそれがいいと思うので。自分がいやだなあと思うことはやらない、そういうスタンスです。

見積もりは、その場で書いて即決すればいくら、というようなことは絶対しません。必ず後から送って、じっくり考えていただいています。
金額も値引きを予想した提示はせず、アフターフォローも含めて僕らが気持ちよくできる金額を最初から出しています。営業は本当にテクニックを使っていないですね(笑)


一番いいと判断すれば「工事をしない提案」も

「具体的な問い合わせがあった時点で、ほとんどのお客さまは買うことを決めています。だから、いいことばかりアピールせずによくなかった例も挙げるし、こんな感じに喜んでいただいていますという話もして『あとは決めてください、やるやらないはどちらでもかまいませんので』と伝えます」 事務所の窓はお客さま向けのショーケース。「和風のエコガラスの風合いを見に来たり、内窓の出っ張り具合を見て、これならいいとかやっぱりいやだとか判断されます。これを見て商談がなくなった方もいますが、それはそれでいいと思うんですね」

――お客さまへの説明イコールご提案となることも多いのではないですか。

いい仕事はいい提案から始まっていると思います。
だから現場では、いいも悪いも含めて全部本音で、一番いい提案をしようと考えますね。そうでないと最終的にいい仕事もできないと思っているので。
だから、場合によっては工事をやらないのが一番いい提案になることもあるかもしれません。

でも、その仕事が工務店さんやリフォーム屋さんの紹介だとしたら、口が裂けてもそんなこと言えませんよね。内窓を、と言われて入った現場が実はエコガラスの方が絶対にいい場合でも、いやこれはエコガラスの方がいいですよ、とはね。

お客さまと直接話ができるなら、例えばAとBの提案があってどちらもよくないときには「やらない方がいいです」と素直に言えるんです。うちはずっとそうやっています。

―― 一般向けに直接販売することへのこだわりは、そこから生まれていると。

そうですね。最近は名のある工務店さんから大口の問い合わせをいただくこともありますが、中間に入るのが本当にいやなので、そういう仕事はやっていません。

――お客さまへの提案は、具体的にはどのように?

窓に特化しているメリットとして工事件数が多いので、過去にあった実例をいいも悪いも含めて挙げながらお話しています。
常にいい工事をするのは当然ですが、過去のデータを嘘なく言いたい。こういう場合はやらない方がいいとか、できませんということもあります。

僕らがフィルターをかませて言うより、過去の生の声こそがお客さまの気になるところだと思うんですね。このガラスはこう使ったのがよかったとか、こんな環境下では工事をしない方がよかった、といった例なども伝えます。
それを聞いた上でお客さまが決めればいいので、できるだけかみくだいて言うようにしています。

――やらない方がよかった、と言うのは勇気がいると思いますが。

いいえ、例えばアルミの枠で結露が防げなかったケースなどは再三言いますよ。
それ以外でも、やはりものには必ずいい面悪い面がありますので、そこは本当のことを言うようにしています。


取材日:2012年8月3日
聞き手:二階幸恵
撮影:渡辺洋司(わたなべスタジオ)
窓工房
窓工房
東京都青梅市
社員数 5名
業務内容/窓ガラスの結露防止・断熱・防音の各工事・リフォーム・販売

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