工務店・ガラス店のみなさま/スペシャルインタビュー

常にメーカー以上。それこそが存在理由(前編)

高橋 秀直(たかはし・ひでなお)
1956年生まれ。ブライダル業界での企画・コーディネート業務を経て、1990年、サン・ウインドトーヨー住器代表取締役に就任。
異業種出身ならではの客観的視点と高い向学心で、常に潜在的なニーズを掘り起こす企画・提案を行い、大手ハウスメーカーから個人まで幅広い顧客層の信頼は絶大。特許・実用新案取得のオリジナル製品開発のほか、喫茶店形式での見本市出展実現など、柔軟な発想を打ち出すアイディアマンの側面もある。窓のプロとしての真摯な姿勢、仕事に対する高いプライドを秘めた柔らかな物腰とベビーフェイスは、多くのセミナーや講演会に引っ張りだこ。多忙をきわめる中でも「お客さまとお話するのが楽しくて。日曜日でも嬉々として行きますよ(笑)」


ガラスもサッシも百点、それが販売店

応接室の一角に取引先各メーカーのロゴマークが壁紙のように張られる。それぞれの四方をサン・ウインドのロゴで囲むデザインに、常にメーカー以上であれという決意がにじむ。
オリジナルのファイルは、客先から事務所に向けての在庫確認でも活躍する。「何ページのこれについて今お客さまとお話しているけどできるかな? ああ大丈夫ですよ、という感じで、話が早いんです」。

――扱われるガラスのほとんどがエコガラスと防犯ガラスですね。

環境の時代、窓の持つ機能は非常に重要視されるだろう。高機能ガラスを販促・拡販していくのは僕らの大切な仕事だ。エコガラスを売ろうと決めたのは、こういった考えからでした。
でも、ガラスの機能ってややこしいですよね。商品のラインナップがあり、そこにいろいろな組み合わせがある。だからこそ、この部分が得意になれば優位に立てるだろうと思ったんです。
その時点で出ていたガラスのカタログを一晩ですべて読み、勉強しました。

――短時間で、最新の機能ガラスについての知識を身につけられたと。

互換性の問題もあり、お客さまに説明するにはガラスとサッシ両方の知識が必要です。自分でよくわかっていなければメーカーの人に一緒に来てもらわざるを得ない。そんなあいまいな知識でお客さまのところに行くなんて、こんな失礼なことはないです。

結局、ガラスの問屋さんでもサッシの営業マンでもない、やはり「ガラスの販売店」でないとあかんのですよ。
ガラスのことも百点、サッシのことも百点。その2つができて初めて、販売店の存在理由があるんです。そういう自負を持てれば声も大きくなる、強みになる。
常にメーカー以上なんですよ、必ず。

――その知識と情報を網羅したオリジナルの資料でお客さまに説明しておられますね。

メーカーのカタログは一切使いません。持っていくのは、独自に作った『高機能ガラス性能比較ファイル』だけです。
それぞれのガラスの持つメリットデメリットから、結露・断熱遮熱・遮音・防犯・紫外線・カットの価格も含めて一覧表にしたマトリックスまで、この1冊でお客さまの疑問すべてに答えます。

メーカー以上のノウハウと情報発信力、現場対応力、そしてコミュニケーション。販売店の持つ力を駆使して各メーカーそれぞれのいろんな強みやメリットをより高める、それがうちの仕事なんです。


「環境」の立場でモノを売ろうと思ってはダメ

「商品名を連発しながら説明しても、お客さまは構えて白けてしまうだけ。やるべきは商品の説明会ではなく、窓の勉強会なんです」。
環境イベントでにぎわうエコ窓カフェ(画面右上)。会場中央での出展はイベント主催者からのたっての希望だったという(写真提供:サン・ウインドトーヨー住器)。 エコ窓カフェの風景。窓やガラスのサンプルは壁際に並べるだけにし、まん中に3つのテーブルを配置したしつらえで「ほとんど喫茶店がメインでした」(写真提供:サン・ウインドトーヨー住器)。 女子アナや漫才師も場を盛り上げる、環境イベント会場のセミナー。ステージ右端に席を占めるのが、スピーカーとして登場した高橋さん(写真提供:サン・ウインドトーヨー住器)。

――リフォームのフェアやさまざまなイベントで、環境や省エネについて講演されています。

断熱関連のセミナーでお話させていただくことも、最近多くなりました。

――太陽と風を意味するサン・ウインドという社名からして環境的な匂いがありますね。

先代から社長を引き継いだときに新しくつけました。ガラスやサッシを売るつもりはない、あったかい陽光と爽やかな風がうちの商品なんですよ、という意味合いです(笑)

環境や省エネは、すごくオフィシャルな事柄じゃないですか。その立場で窓を扱うとき、モノを売ろうと思ってはダメなんです。だからうちは絶対に営業しません。

セミナーや勉強会では、メーカー名も商品名も一切出さず、窓とは、断熱とは、結露とは、節電とは、といったことを話します。そこで興味を持ったり、一度来てほしいとおっしゃる方だけに、お客さまとして対応させていただく。
買ってくれと口に出したら負けです。そういう奥深さを感じていただける方が、うちのターゲットであるとも言えますね。

「環境」はすごく難しい。相手への思いやりをもち、それが伝わらなければうたえないものです。環境に関する相談相手になるには、その人の人間性がお客さまと価値観を共有する必要がある。

「暑い寒いうるさい」を解決するだけなら、そこまでは要りません。でもこれからは環境に対してトータルな対応をしていきたい。だからお客さまとのコミュニケーション、人間関係をまず作っていかなければと思っています。

――昨年末の京都環境フェスティバルで出展された『エコ窓カフェ』は、イベント会場中央に喫茶店スペースをつくり、お客さまの窓の悩みを聞いて改善提案するという、ユニークなコミュニケーションの場でした。

カフェ形式の出展は、前からやりたかったんです。前を歩く人を無理やり立ち止まらせて話すことに、違和感や疑問を感じていました。
それより必要なのは「こちらが聞くこと」じゃないか。そう思ったとき、話を聞く空間を作ってみよう、立ち話より座ってもらい、ちょっとお茶でも出して差し上げたら、と考えて。

――結果は2日間で700組のお客さまが来場と、大盛況。

イベント出展は、会社全体でのお客さまとの接点づくり、社員がお客さまの声をじかに聞き、空気を肌で感じて的確に対応していく訓練の機会、と位置づけています。
そういった場でここまで反響があるとは、正直思ってもみませんでした。自分らが今やっている仕事に対してこれだけの関心がお客さまにある、これは会社や社員の自信につながりますよね。
それがすごくよかった。やってみないと見えない景色があるんだと思いました。


恵まれた環境、豊富な市場でベストを尽くす

京都商工会議所の「知恵ビジネスプランコンテスト」認定企業の授与式で、自社の取組みをプレゼンテーション。さらなる周知や異業種とのコラボレーションの可能性も探る。
「環境・窓・住環境についての話は、全部聞いて肯定してもらえる。そんな時代にこの仕事に携わっていることを、すごく幸せに感じています」。

――尽きることのないそのモチベーションを、何が支えているのでしょうか。

僕はもともとガラス屋をしたくてこの業界に入ったわけではなく、人生のターニングポイントでたまたま窓という条件を選んだ。それが今の立場であり、この仕事を通してベストを尽くしたい。それがライフワークの指針です。

窓は、生活や環境というめちゃくちゃ大事なものにとって重要な存在。ここに携わり、ガラスという商材でお客さまに対していろいろさせてもらえる、こんなに幸せなことはないですよ。
すごく恵まれているんです。だからそこで満足したらあかんやろ、と。

仕事を通してお客さまに喜んでもらえることで、いろいろな意味で人のために役立ち、大きな意味で社会貢献となっていると痛切に感じられる、しかも身近なところでね。
それがすごくうれしい。この意識をサン・ウインドのDNAにしたいと思っています。

――ガラス業界全体を見渡せば、まだあまり元気がない気もしますが。

たしかに同業者が集まっても良い話は聞きません。今までの半分も仕事がないとか、息子もよそに働きに出んねんとか。
そんな中で僕ひとり「そんなことないで」って息巻いています(笑)

以前、京都硝子組合から依頼されて「恵まれた業界、豊富な市場」というタイトルで講演しました。ガラスのうまみ、恵まれている業界であること、考えようによってはまだまだ豊富なニーズがあることを、意気消沈している同業の人々に向けて話しました。

そして今も、僕は声を大にして言いたいです。窓というのはまさに花形の事業なんや! とね。


取材日:2011年12月13日
取材・文:二階幸恵
撮影:中谷正人
(有) 小酒井商事 八幡ガラス
サン・ウインド株式会社
京都府宇治市
社員数 9名
業務内容/断熱・防犯ガラス、サッシ、雨戸、玄関入替、エクステリア等各種工事・リフォーム・販売

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