工務店・ガラス店のみなさま/スペシャルインタビュー

常にメーカー以上。それこそが存在理由(前編)

高橋 秀直(たかはし・ひでなお)
1956年生まれ。ブライダル業界での企画・コーディネート業務を経て、1990年、サン・ウインドトーヨー住器代表取締役に就任。
異業種出身ならではの客観的視点と高い向学心で、常に潜在的なニーズを掘り起こす企画・提案を行い、大手ハウスメーカーから個人まで幅広い顧客層の信頼は絶大。特許・実用新案取得のオリジナル製品開発のほか、喫茶店形式での見本市出展実現など、柔軟な発想を打ち出すアイディアマンの側面もある。窓のプロとしての真摯な姿勢、仕事に対する高いプライドを秘めた柔らかな物腰とベビーフェイスは、多くのセミナーや講演会に引っ張りだこ。多忙をきわめる中でも「お客さまとお話するのが楽しくて。日曜日でも嬉々として行きますよ(笑)」


「納得できる仕事がしたい」リフォームにシフトし、電気店をまわる

先代の独立開業をまのあたりにし、「人生のターニングポイント」という思いの下、ブライダル業界からガラスの世界へと飛び込んだ。
「やっぱりお客さまの顔を直接見ながら仕事をしないと次の世代のビジョンが描けないし、社員も育たない。そんな結論に達して」顧客シフトに踏み切ったという。

――15年前、地元建設会社向けのガラス施工販売からリフォーム専門へと、事業内容を完全にシフトされました。

創業者の義父から僕が社長を引き継いだ時からです。
それまでは仕事先から常に「下請け」として扱われ、対等に話せなかった。お客さまのためにと考えたことを直接届けることもできず、そのことでとても悩みました。納得できる「自分の仕事」をしたかったんです。

思い切ってリフォームへと舵を切り、お客さまはハウスメーカーとエンドユーザーに切り替わりました。
一般住宅と比べて、ハウスメーカーのリフォームはサッシの寸法も違うし、下地もよくわからなくて難しいんですよ。ここで学んだいろいろなノウハウやアイディア、工夫によって、リフォームが得意な会社になったかな、という面もあります。

――10年ほど前の防犯ブームもひとつのターニングポイントになったとか。

ブーム以前から、盗難で破られた窓やドアを修理する際に現場の写真を撮りためていました。そのビジュアルを被害の実例として盛り込んだオリジナルの防犯資料を作ったんです。それがハウスメーカーの目にとまり、結果として近畿一円の物件の窓まわりをすべて任せていただくことになって。
業務エリアがここで一気に広がりました。

――個別のお客さまについては?

2年ほど、いわゆる「町の電気屋さん」まわりをしたことがあります。京都南部から枚方あたりのお店すべてに、窓の相談もリフォームも全部できますと言ってまわりました。
なぜかというと、こういうお店に来るのは、量販店にはないサービスを理解している方だから。単に「安いから」ではない、ものを買うときに違った判断基準を持っておられる「質の高いお客さま」だからです。そこを勉強したかった。

その後、ハウスメーカーの関連会社から後押しをいただき、今は電気屋さん経由でのお客さまの窓のご相談にも対応しています。
網戸の張り替えや戸車交換にとどまらず、家全体の断熱・セキュリティ・防音で困っている、そこに窓というキーワードがついたお客さまのもとへは、すぐにかけつけています。


地域一番店に興味はない

会社の前面道路から京滋バイパス宇治西インターまで、距離にしてほんの数百メートル。地の利を存分に生かし、広大なエリアを戦略範囲におさめる。
フランクに話をしながら窓に関する豊富な知識をお客さまに「ティーチング」し、その後本人が納得して自ら意思決定できるよう「コーチング」する。それが高橋流。 工場は2階建てで、奥に事務所を配置する。2007年に受賞したガラスグランプリスペーシア特別賞では、他社の追随を許さない圧倒的な現場数が評価された。

――京都・滋賀・大阪・奈良・兵庫と広いサービスエリアをお持ちなのは、そんな背景にもよるのですね。

地域一番店といった考え方は、僕にはまったくないんですよ。

プロの責任として、僕は断熱やセキュリティに関するお客さまの不安や疑問に真摯にお応えしたい。それには「話を聞いて理解していただけること」が大前提です。
けれどそんなお客さま、お金のあるなしではなく、割れていない窓を高い機能や目的を持ったガラスに換えることができるようなお客さまの層は、やはりほんのわずかなんですね。宇治だけ、京都だけでは無理なんです。

だからハウスメーカー経由の対応も、エンドユーザーの方々からのご連絡も、近畿一円。それに応える機動力・エリア戦略を作っておかないといけないので、日本一効率の悪いサッシ屋(笑)と自負しています。

でも、たまたまこの場所は近畿のセンターポイントで、最寄りの乗り口から高速道路を使えば、近畿のどこへでも1時間ほどでいけるんですよ。毎月の高速代は大変ですが(笑)

――お客さまに聞いていただきたいお話とは、どのようものなのでしょう。

窓にはいろんな商品や種類があり、お客さまの要望も多岐にわたって、リフォームではそれが複合化する。それに対して機能的にもコスト的にも「これがベストです」というものは、実はないんです。
そんな中でご納得いただけるリフォームの方向性、お客さまにとっての選択を一緒に考えて、その上でお客さまご自身が正しい選択をできるようサポートする。それが僕らの仕事だと思っています。

――お客さまが自分で正しく決定することを助ける、そのために話をすると。

そうです。だから、お客さまの言われた通りにしていたらあかんのです、お客さまは自分たちより知識がないわけですから。
そうじゃないんですよ、というのは勇気がいるし、相手も面白くない。でも「あんたが言っていることが正しいな」と思っていただけるようなお客さまとの関係づくりを、こちらからスタートしなければいけないんですね。

コミュニケーションできて信頼され、ある意味で対等の立場になったとき「お客さんと業者」ではなくなり、本音で話していただけるようになります。こちらの話し方や職人の対応についてもいろいろ指摘してくれる、それがうれしい。
印象に残るお客さまとは、いまだにおつき合いがありますよ。エクステリアやお風呂のリフォームなど「こんなんできる?」と、次の仕事につながり、広がっていきます。


ニーズに応えて独自に作る、特許・実用新案製品

予算的に折り合いがつかず一度は無理と断ったお客さまのもとに、自ら引き返して再度話し合い、解決法を見出したことも。「帰りの車の中で釈然とせず悶々としてね。プロとして、お客さまの声を値段とか商品であきらめてはいかんのです」
エントランスホールから数段スキップした社長室兼応接室は「セルフメイク空間」。社員から自主的に声が上がり、2ヶ月ほどかけて業務終了後に皆で内装を施工した。

――独自の窓まわり製品で特許や実用新案も取得しておられます。

低コストで窓の断熱性を向上させる工夫を考えたり、窓枠がぜんぜんなくても重たい内窓が安全につけられる、独自の治具も作っています。

どちらも「時流に合って」「よそになく」「お客さまにメリットがある」この3つのテーマがそろえば必ずうまくいく、という確信の中で作ったものです。

――リアルな要望に応えるために、今までにないものを創作するのですね。

いくら勉強して使いこなしても、メーカーにあるものだけではお客さまのニーズに応えられないことがあるんです。そのときは自分で作るしかない。できない、といったらそこで終わっちゃうし、考える中でオリジナリティが発生します。
お客さまから必要だと言われたことは必ずビジネスになることの裏付けでもありますね。予算がないけどおじいちゃんが寒い寒い言わはると、それが実用新案になったり(笑)

2012年2月には、こういった商品開発やウインドウ・コンシェルジュという新サービスをご評価いただいて、京都商工会議所主催のビジネスプランコンテストの認定企業に選ばれ、新聞やテレビでも紹介されました。
こんな感じで会社の名前をもっとメジャーにし、ブランド化していきたいですね。
「ああ、サン・ウインドって知ってる」と、ある程度認知していただけたら、僕の考えやお客さまにして差し上げたいことを、情報としてよりスムーズにお届けできると思うんです。


取材日:2011年12月13日
取材・文:二階幸恵
撮影:中谷正人 高橋秀直さん(後編) ガラスもサッシも百店満点という「自負」 2012年4月1日掲載予定
(有) 小酒井商事 八幡ガラス
サン・ウインド株式会社
京都府宇治市
社員数 9名
業務内容/断熱・防犯ガラス、サッシ、雨戸、玄関入替、エクステリア等各種工事・リフォーム・販売

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