安藤康隆(あんどう・やすたか)
1971年生まれ。代表取締役社長。山田硝子店 三代目として2009年より会社を引っ張る。
下辻 寛(しもつじ・ひろし)
1968年生まれ。営業部係長。全社挙げてのエコポイント関連の取組みを束ねる総責任者。
松井俊二(まつい・しゅんじ)
1962年生まれ。業務部主任。問合せ窓口業務から工事作業の指揮もこなすマルチプレイヤー。
今回ご登場いただくのは、大阪市に本社を持つ山田硝子店。三代目社長の安藤康隆さん(左)、一連のエコポイント取組みのリーダー・下辻寛さん(中)、業務の責任者・松井俊二さん(右)にお話をうかがいました。
下辻 2010年2月、エコポイント制度に合わせて始めました。それまでは完全な問屋業でしたが、今は社員全員でエコポイントやエコリフォームに取り組んでいます。
安藤 景気が低迷し、ガラス業界全体のモチベーションが下がっている中「ものにしなければならないチャンス」としてこの制度をとらえています。
政府の環境政策という時代の流れもあり、新築住宅の着工件数も減っている今、リフォームに特化していかなければ会社の存続もありません。
安藤 切実です。それに、業界にも、一般の消費者の方にも、そして地球にも優しくプラスになる「いいこと」ですからね。
景気低迷で業界全体が疲弊している。それを喜びに変えて、日々楽しんで働けたらと思うんです。
安藤 まず、工場で働く社員も含め全社でエコポイントの勉強会。
それからチラシを作りました。一般のお宅向けに、私も含め社員が月2回のポスティングを続けています。
松井 最初は普通の制服でやっていましたが、ご近所から怪しまれて(笑)それで、わかってもらえるようにエコガラスマーク入りのポロシャツを作り、社員全員で着ることにしたんです。
安藤 僕がゼネコンさんに行く時も着ていくんですよ。まわりはみんなスーツですから「社長、気合い入ってますねえ!」って(笑)
松井 仕事も決まってきますし、一般の方から概算の見積依頼、エコポイント、エコガラス等いろいろな問合せの電話を頂戴するようになりました。今まではなかったことです。
下辻 チラシは会社近くの銭湯や町の電気店にも置いてもらっています。 8月からは高級鏡が当たる抽選券もつけ、ホームページで当選番号を発表するようにして、アクセス数がグンと増えました。
安藤 全部、社員から出てきます。あれこれみんなで話をして、やると決めたらすぐにやる。
エコポイントはずっとあるものではないので、早くやって認知度を上げなくては。
下辻 苦労と感じたことはなく、日々楽しくやっています。ただ、一般の消費者の方々にわかりやすく説明をさしてもらうことに、最初は慣れていなくて少しだけ戸惑いました。見積書にはガラス工事の見積だけでなくエコポイントのポイント数も明記しています。
安藤 一般の方には、窓はまだまだ認知されていません。興味を持って知ってもらうためにアイディアを出し、ポスティングも続けないといけないんですね。
安藤 新しい発見があって楽しいですよ。車ではなく歩くことで新しい道を見つけたり、ときには飛び込み営業をしたり、ポストの種類ってこんなにある んや!とかね(笑)回る時は窓を見ます。「あ、この家の窓は単板ガラス? ペアガラス? 防犯? Low-E ?…」という感じで。
下辻 換えてくれそうなお家をターゲットに、というのはありますね。アルバイトの人にはその見極めは無理な話で、僕らがやるからこそ意味があり効果がある。
安藤 新築にはペアが入っているし、古い文化住宅は賃貸かもしれないし。
松井 エコガラスは防音性能も高いんで、工場や学校周辺にもポスティングしています。
考えて入れている営業マンの担当エリアからは、やはり問い合わせがきますよ。
下辻 ポスティングの最中に「見積ってみて」と声をかけられ、そのお宅の窓を全部測って見積を作ったこともあります。これもアルバイトの人にはできないことですね。
下辻 いいえ。お客さまからは「この窓だけ換えたら?」とか「型板に換えたら?」とかいろいろな問合せや質問が出てきますから。
今までに決まった現場でも、数回は訪問さしてもらっています。足しげく通うことで仕事は決まってくるんですね。