鳥毛虫(かはむし)の、心深きさましたるこそ心にくけれ。
7月号のエコガラスレターは、古文でスタートです。現代語訳だと「毛虫の、なんか考えてそうなところが良いのよね〜」という感じでしょうか。昔懐かしい古典の授業で習った「虫めづる姫君」の一節です。この姫君、今でいう虫オタク。ちょっと変わった女の子です。
25歳のアメリカ人女性、ジェシカ・オレックさんは、現代版虫めづる姫。日本人はなぜ昆虫が好きなのか問題提起したドキュメンタリーフィルム「Beetle Queen Conquers Tokyo」の監督です。昆虫は害虫、殺すものとしか見なさないアメリカで、虫好きをカミングアウトできずにいた彼女は、日本人がスズムシとマツムシの鳴き声を聞き分けると知っていたく感動したそうです。
そういえば、夏の到来を告げるセミの声も、西洋人にとってはただの騒音。これは感性の違いではなく脳の違い。西洋人は虫の音を音楽脳で処理するのに対して、日本人は言語脳で処理するのです。要は、虫の音を「虫の声」として捉えているというわけ。世界広しといえど、言語脳で処理するのは、日本人とポリネシア人だけなんだとか。そう聞くと、蝉の大合唱にも風情が感じられてきたりして…。
もう7月。蝉の大合唱まで、もうすぐです!