窓から快適、リフォームレポート -エコポイントと助成活用のエコリフォーム 東京都 N邸-
立地 | 東京都墨田区 |
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住宅形態 | 鉄骨鉄筋コンクリート造12階建てマンション3階部分(1996年竣工) |
住まい手 | 世帯主 |
リフォーム工期 | 2010年3月/同9月(各1日間) |
窓リフォームに使用したガラス | エコガラス(アタッチメント使用) |
リフォーム費用 | 21万6050円 |
利用した補助金等 | 住宅版エコポイント/墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度 |
東京スカイツリーにほど近い、情緒ある下町の一角のマンション3階に、Nさんを訪ねました。2010年の春と夏、2回に分けて窓のエコリフォームが行われたお住まいです。
ここに暮らし始めて3年ほどというNさん、「昨冬は結露がひどくて、毎日拭いても流れるくらいだったんです」
新型インフルエンザ流行を受けて、初めて加湿器を多用した冬でした。「外の寒さと室内の湿度が重なって、結露が出たのかもしれません」
確かに、結露の要因として考えられる状況でしょう。
お一人住まいのNさんはこの困りごとを管理人さんに相談。同じマンションの入居者が行った窓リフォームとその効果を知ります。
工事を担当したリグラスショップ・ウチヤマのマネージャー・笠原正一さんを紹介され「その日のうちにとんでいったら、すぐ来てくださったんですよ」
そして3月、もっとも結露のひどい西側の2窓がエコガラスに交換されました。
2回目の窓リフォームは9月初めです。
長年、真夏も窓開けと扇風機で過ごしてきたNさんですが、昨夏の猛暑はさすがに終日エアコンの運転を余儀なくされ、電気料金が一気に2倍に!
そこでふと思い出したのが、1回目のリフォーム見積時に説明を受けたエコガラスの遮熱効果だったといいます。
「思いたったら、やっちゃう質なもので(笑)」と、Nさんはすぐさま笠原さんに依頼。「日当たりがよすぎる(Nさん)」掃き出し窓とキッチンのガラス扉もまた、エコガラスに変わりました。
Nさんはリビングと寝室を隔てる間仕切りを使わず、室内をワンルームにしています。開口部は、南バルコニーに面する掃き出し窓と西側に2つの腰高窓。キッチンからバルコニーに出る扉もガラス張りです。
全開口部が対象となったエコリフォームは、マンション管理組合の了承を得て「ガラス交換」にしました。内窓についてはNさんいわく「二重窓は大変ですよね、窓が入れ違ったりしちゃって」。煩雑さを考慮して見送ったそうです。
アタッチメントを使った工事は、わずか数時間で終了。既存サッシにはめ込まれたのは、中間層にアルゴンガスを密封して断熱・遮熱効果を高めたエコガラスでした。
春夏2回の窓リフォームは、どちらもエコポイントの対象となる工事です。申請手続は笠原さんの手助けで簡単にでき、獲得ポイントはデパートの商品券に交換しました。
「エコポイント制度のことは全然知らなかったんですよ。ボーナスをもらったみたいで、ずいぶん助かりました」。
もうひとつ利用したのが、墨田区が独自に設けている断熱リフォームの助成です。
この補助金は省エネ建材等級3以上の建材を使ったリフォームに適用され、エコポイント制度より厳しいものですが、エコガラスを使ったN邸の窓は省エネ等級4。つまり最上級として見事これをクリアしたのでした。
都会のマンションで自由に一人住まいを楽しむ、そんな人々が増えています。それとともに、年齢を重ねながら健康を保ち、長い時間を安心・快適に過ごせる家が、今まで以上に求められはじめています。
コンパクトな住空間を無理のない範囲でエコリフォームし、暑さ寒さや結露といった困りごとの解決をめざしたN邸は、その好例のひとつといえるのではないでしょうか。
下部を収納スペースとして出窓になっている窓際は、Nさん手作りのぬいぐるみや人形たちの指定席。以前は西日対策の遮熱フィルムが張られて暗くなりがちでしたが、ガラス交換と同時にフィルムもお役御免、明るさをとり戻しました。
風邪予防に加湿器が活躍する季節でも、流れるような結露の心配はなくなり、今年の冬が楽しみです。
鉄道やバスを乗り継いで一日都内を旅し、買い物やバーゲンを楽しみ、近所に住む娘さん一家の夕餉の支度に腕を振るったりと、Nさんの毎日はアクティブに過ぎていきます。
そんな日々のベースとなる住まいこそ、いつでも心地よく快適な「自分だけの小さな城」でなければならないはず。
「薬で長生きしてもつまらないですよ」ほがらかに話すNさん。その健康を支えていく使命もエコガラスにはきっとあるんだ…そんな思いを胸に、帰路につきました。