事例紹介/リフォーム

ひと部屋の窓改修からハイレベルのエコ住宅へ

窓から快適、リフォームレポート -補助制度活用のエコリフォーム 山形県 K邸 戸建て-

Profile Data
立地 山形県山形市
住宅形態 鉄骨造一戸建(1997年竣工/2009年改修)
住まい手 夫婦+子ども3人
間取り 5LDK+和室
リフォーム工期 2009年8月・12月
窓リフォームに使用したガラス エコガラス
利用した補助金等 勤務先社内モニター/国土交通省 住宅・建築物省エネ改修推進事業(タイプB・公募)

ひと部屋の窓改修からハイレベルのエコ住宅へ



勤務先のモニター制度を活用 ひと部屋分の窓から始めたリフォーム

葡萄や桃の果樹園が広がる高台に建つK邸。緑豊かな住環境だ。

葡萄や桃の果樹園が広がる高台に建つK邸。緑豊かな住環境だ。

K邸全景。カーポートの屋根に太陽光発電パネルが見える。

K邸全景。カーポートの屋根に太陽光発電パネルが見える。

外窓をエコガラスに交換し、障子を内窓に変えた和室はK邸エコリフォームのメインスペース。

外窓をエコガラスに交換し、障子を内窓に変えた和室はK邸エコリフォームのメインスペース。

和室の雰囲気にマッチする、組格子がデザインされた内窓。

和室の雰囲気にマッチする、組格子がデザインされた内窓。

既存のペアガラスの掃き出し窓に内窓をつけたリビング。

既存のペアガラスの掃き出し窓に内窓をつけたリビング。

山形駅から西へ数km、小雪の舞う葡萄畑を抜けて到着したのは、蔵王連峰を望むひろびろとしたロケーションのお住まいです。
笑顔で迎えてくれたKさんご夫妻は、おふたりとも生粋の山形っ子。ご主人の生まれ育った築40年ほどの家を12年前に建替え、3人のお子さんとのにぎやかな暮らしを楽しんでいます。

K邸のエコリフォームは、2009年の8月と12月に行われました。
メインとなったのは、二間続きの和室です。南側の道路に面した3つの窓と東側に掃き出し窓のある明るい部屋ですが、一方で「夏は暑くていられない状態でした。エアコンも効かなくて、常に西日が射しているような」とKさんは振り返ります。開口部に軒をつけず、室内にたっぷり光を取り入れるK邸のつくりも、ここでは仇になったようです。

Kさんのご勤務先であるガラス・建具等の施工会社・竹原屋本店による社員向けモニター制度が、リフォームのきっかけとなりました。多くの人にエコガラスの効果をまず体感してもらおうと、ひと部屋分の窓リフォーム用にエコガラスを提供したこのキャンペーンをKさんは活用。「いいなあとは思っていたけれど、価格のこともあってなかなか行き着かなかった」エコガラスを、東側の和室の窓に入れることにしたのです。

Kさんの奥様は当初、窓リフォームにさほど期待していなかった、と話します。「新築の時からペアガラスが入っているし、何が違うんだろうって思ったんですよ…。でも、違うんですよね!」
この実感を証明するように、最初のガラス交換後、K邸ではほとんど間を置かずに、今度は自費で、もう一方の和室もエコガラスに変えました。
「工事したその日からやっぱり全然違ってて。どうせ二間使うんだからということで」とは、休日に自ら工事を行ったKさんの言葉です。

2回目のリフォームでは、内窓を設置しました。ここではエコ住宅向け補助事業の存在が実現を後押ししています。
加えてほぼ同時期にK邸ではエコキュートを導入。さらに太陽光発電パネルも設置して、これらをセットにした補助金を申請したのです。「補助金制度がなかったら、しなかった」とKさんは笑いますが、キッチンもIHに変更し、全体的にハイレベルな省エネ住宅になっています。

全居室に設置した内窓はどれも既存サッシの額縁内におさまりました。これなら部屋を狭く感じたり、つまずきやひっかかりの心配もなく「前と何も変わらないですね」と奥様。
また、雪見障子が入っていた和室には組格子のついた和風デザインの内窓を選ぶことで、以前と同じ部屋の雰囲気を残すことができています。


暖房器具も灯油使用量も半減して のびのび過ごせる快適な部屋が生まれた

ベンチプレスやダンベルが置かれた和室は、思いきり体を動かせる場としても人気。

ベンチプレスやダンベルが置かれた和室は、思いきり体を動かせる場としても人気。

大きなガラスが印象的な子ども部屋にも内窓がついている。

大きなガラスが印象的な子ども部屋にも内窓がついている。

内窓の設置で結露の問題が改善された北側廊下の窓

内窓の設置で結露の問題が改善された北側廊下の窓

冬は人がいなくて冷えやすく、夏は強い日射が暑さを招いて、家族の誰もが入りたがらなかったK邸の和室は、エコリフォーム後「ここがいちばん快適だね」とご夫妻に言わしめる快適な空間に生まれ変わりました。

すきま風もないのに寒かった窓際では、遊びにきた親戚が「昔はスースーして寒かったけど、今は全然感じない」と感嘆の声を上げたと言います。
「向こう行くと寒いからいや」と、ストーブなしでは和室に寄りつかなかった子どもたちも、奥様の観察によれば「ふと気づくとリビングとの間を行ったり来たりして遊んでいるので、寒くないんでしょうね」。

暖房の仕方も変わりました。リフォーム前は二間をつなぐふすまを閉め切ってそれぞれストーブをつけていたのを、今はふすまを開け放ち、かつストーブ1台で暖められるようになったとのこと。加えて「部屋全体が早く暖まり、しかも熱が逃げていかない。ヒーターの設定温度を1度くらい下げても、いられるようになっています」。

効果は灯油使用量の形で具体的にも現れました。200リッター入りのホームタンクに月1回、多い時は月2回詰めていた灯油が、エコリフォーム後の冬は2ヶ月に1度の充填ペースになったのです。
和室だけでなく家全体に内窓をつけ、さらにエコキュートの導入でボイラーが不要になったことも、省エネに一役買っているのでしょう。

「終日西日が射しているような」暑さだった夏の和室も、ガラス交換後は「熱気やムッとする臭いがこもらなくなって、大勢の子どもがプロレスしていてもなんだかさわやか(奥様)」な場所になりました。
さらに、畳敷のこの部屋は、柔道を習っている息子さんとKさんが一緒に体力づくりをする「簡易道場」でもあるとのこと。K邸きっての「体育会系」空間を、四季を通じてエコガラスが応援しているようです。

もうひとつ、K邸の抱えていた問題に結露があります。以前は「まるで雨でも降ったように」結露して、拭いても拭ききれずにぽたんぽたんと滴ることもあったとか。
エコリフォーム後の和室では、いくら石油ストーブを使っても結露は一切見られなくなりました。外窓に既存のペアガラスが入っている寝室やリビングも、内窓設置が功を奏して結露はほぼ解消されています。北向きの廊下の窓は今も外側には結露するものの、室内は快適さを保てるようになりました。


デザイン・機能の両面で住まい環境に貢献!ふるさとの気候風土にマッチしたエコガラス

ガラスのグリーンとサッシの焦茶の色彩コントラストが映える和室の窓。

ガラスのグリーンとサッシの焦茶の色彩コントラストが映える和室の窓。

四つ星のエコガラスマークと並んで、かわいらしいさくらんぼのマークが。

四つ星のエコガラスマークと並んで、かわいらしいさくらんぼのマークが。

Kさんご夫妻の息はぴったり。明るい会話が続く。

Kさんご夫妻の息はぴったり。明るい会話が続く。

「外から見たK邸の和室の窓は、少し緑がかっています。エコガラスの特徴のひとつでもあるこの色も、Kさんのお気に入り。「ガラスのグリーンがサッシの焦茶と合う感じで良いんじゃないかな。ちょっと高級そうにも見えるでしょ?(笑)」 通常の透明ガラスと比べて室外から中の様子が見えづらい性質も効果を上げています。 和室は直接道路に面しているため、リフォーム前は外の視線が気になり障子を閉めていることがほとんどでした。今では「夜勤明けに少し畳で横になりたいときにも内窓を開けていられます。外で遊んでいる子どもの様子が見えるし、日差しも気持ちいいですよね」誰かが訪ねてきてもすぐわかるし、と、介護職の奥様はにっこりしました。

ちょっと疲れたときにごろんと体を伸ばせる、畳の部屋ならではの楽しみにもエコガラスは貢献しているようです。

よく見ると、窓の右下には小さなさくらんぼのマークが入っています。これは、地球温暖化防止をめざす地域グループ「チーム山形」が、県内での普及をめざしてエコガラスにつけた愛称「さくらんぼガラス」に該当していることを示すシンボルマーク。グループのメンバーに名を連ねる竹原屋本店社長の五十嵐さんは「さくらんぼガラスは山形の気候風土にマッチしたエコガラスです。これからもどんどん普及させていきますよ」と熱く語ってくれました。

東向きの窓を通して、和室からもリビングからも蔵王が一望のK邸。この雄大な景色そのままに明るくおおらかなKさんご一家の、のびやかでエコな暮らしにふれた一日でした。


(株)竹原屋本店

エコリフォーム成功のポイント
  • 補助金等の諸制度を積極的に活用
  • 家全体のエコを見渡したリフォーム計画

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