事例紹介/リフォーム

暮らし方を変えた、あったかエコリフォーム

窓から快適、リフォームレポート -心も体もラクになる 神奈川県 K邸 マンション-

Profile Data
立地 神奈川県川崎市
住宅形態 鉄筋コンクリート5階建分譲マンション(2004年竣工)
間取り 4LDK
住まい手 母+娘
リフォーム工期 2009年1月25日
工事費用 133万円
窓リフォームに使用したガラス 透明エコガラス
利用した補助金等 環境省2008年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間団体)/補助額40万円

暮らし方を変えた、あったかエコリフォーム


断熱マンションなのになぜ寒い? 原因は北側の広い窓だった

「コンクリートに断熱材が入った気密性の高い建物と聞いて、ここを選びました。なのにこんなに寒いなんて…ずっと悩んでいたんです」向かいに公園、数分歩けば桜並木が美しい川、そんなロケーションで築5年目の分譲マンションにお住まいのKさん。思いもよらない室内の寒さが、エコリフォームのきっかけでした。


K邸は3階の角部屋に位置し、東のリビングと西の玄関を結ぶ居室がそれぞれ北側に広い窓を持っている間取りです。これだけの窓があるのなら、とあえて南向きにこだわらなかったKさんですが、いざ冬をむかえると、複数の暖房器具をフル稼働させても室内がいっこうに暖まらないことに気づきます。何枚も重ね着しながら、もしや欠陥住宅では? とまで考えて落胆していました。


その矢先、同じマンションの中部屋に住む人の「うちは冬は暖かい」の一言を聞き「窓が原因かも」とひらめきます。その後はインターネットやテレビで情報を集め、入居後2年を経て、家じゅうの窓をエコガラスの二重にするエコリフォームに踏みきったのです。


冬の居場所はリビングだけ・・・制限された暮らしを変えた二重窓

Kさんの自室。以前はエアコンの風がつらく短時間しか机に向かえなかった。

Kさんの自室。以前はエアコンの風がつらく短時間しか机に向かえなかった。

お母様の寝室。エコリフォーム後の暖房は真冬でも湯たんぽだけ!

お母様の寝室。エコリフォーム後の暖房は真冬でも湯たんぽだけ!

住まい手が多くの時間を過ごすリビングスペース。床暖房と二重窓でエアコンなしでも快適!

住まい手が多くの時間を過ごすリビングスペース。床暖房と二重窓でエアコンなしでも快適!

常に冷えて「行かずの間」だったリビング北側もふつうに行き来できる空間に。

常に冷えて「行かずの間」だったリビング北側もふつうに行き来できる空間に。

それまでのK邸は、冬場は人の居場所が限られている状況でした。Kさんと、いっしょにお住まいのお母様がふたりで家にいるときは、ほとんどの時間を過ごすのは床暖房のあるリビングの一角のみ。というのも、12畳のリビングにはバルコニーに面した掃き出し窓と北側の腰高窓とがあり、この周囲は寒さがひどくてだれも寄りつけない「行かずの間(Kさん)」だったのです。結局、ちゃぶ台とテレビのある南側三分の一程度のスペースだけが使われていました。

デスクやベッドのあるKさんの部屋も同様です。机でパソコン操作をしていても「3つある暖房器具を全部最高レベルにしても寒いし、ぜんそくなのでエアコンの人工的な温風がつらくて」と、いつも短時間でやむなく床暖房のあるリビングに避難、自室にいられるのは暖房を切る就寝時だけという状態が続いていました。一方、お母様は暖房効率の悪さへの心配に節約意識が重なり、仕事でKさんが不在のときは小さな寝室に終日こもってはエアコンとヒーターで寒さをしのいでおられたとか。なんとも不自由な毎日ではありませんか。

寒さにほんろうされる日々は、内窓の設置とともに終わりを告げます。Kさんの自室は今や足もとの赤外線パネルひとつで暖房は十分。「エアコンの風もなくなって、暖かい自分の部屋にいつまでだっていられるんですよ!」お母様もリビングでゆったりとひとりの時間を過ごすようになりました。エアコン不要、床暖房も常時弱モードで大丈夫なら、省エネ節約面でももちろん納得! といったところでしょう。

「行かずの間」だったリビングの北側も、ふつうに行き来できる場所となりました。リフォーム前は床暖房の効果が感じられなかったキッチンも快適に。エコリフォームがもたらした寒さの解消は、なにかと制限の多かった暮らしをさわやかに解き放ったかのようです。


体にやさしいエコリフォームが身も心も軽やかにしてくれる

Kさんのベッドスペース。頭上の窓から降りていた冷気はリフォーム後は皆無に。

Kさんのベッドスペース。頭上の窓から降りていた冷気はリフォーム後は皆無に。

住まい手の体や健康にもエコリフォームは貢献しています。もっとも直接的なのは、ぜんそくを持つKさんに負担をかけるエアコンの温風を家の中から一掃したことでしょう。室内着も変わりました。「リフォーム前はダウンベストみたいなものを着ていないと寒々しかったんです。今はそんな緊張感が全然なくて、ストレス面でもそうとう違うと思います」いつもちぢこまっていた体がのびのびして大満足、とほほえむKさん。重苦しい重ね着がいらなくなった時のうれしい身体感覚をも、エコリフォームは運んできました。

お風呂まわりのよい効果も見のがせません。以前は24時間換気で室内を動く空気がバスルームに冷たい風となって流れこみ、暖房をつけても寒さを感じながらの入浴でした。今は暖房はスイッチオフ、湯あがり後は湯ざめどころか暑さを感じるほどです。いうまでもなく、お風呂やトイレは高齢者のヒートショックがとくに心配なエリア。入浴前後に倒れはしないかとの家族の不安を払拭してくれる、こんな「体へのやさしさ」もまた、これからのエコリフォームに期待される一面に違いありません。


洗練された窓デザインは住まいの大きなプラスαに

内窓の桟が既存のサッシにおさまり、室内への二重窓の張り出しがないリビング。

内窓の桟が既存のサッシにおさまり、室内への二重窓の張り出しがないリビング。

雰囲気たっぷりの和室の内窓は、ぱっと見は普通の障子と見まごうばかり。

雰囲気たっぷりの和室の内窓は、ぱっと見は普通の障子と見まごうばかり。

デザイン面も要チェックです。二重窓のエコリフォームでまず懸念されるのは、新たにつける内窓が部屋の中に張り出して圧迫感を感じたり、つまずいたりするのでは? といったことでしょう。K邸の場合、既存の窓のサッシ内に内窓の桟がぴったりとおさまり、この不安はみごとに解消されています。圧迫感どころか、白色を選んだ内窓のサッシが既存窓のガンメタリック色を覆い隠す形になって「外の景色が前よりすっきり見える」と住まい手には好評、大成功です。

和室は着物の趣味を持つお母様が着付などに使う部屋ですが、ここの内窓は注意しなければ障子と見まごうばかりの本格的な和の雰囲気。しかも以前入っていた本物の障子よりデザインがいいと、母娘ともにお気に入りの窓になりました。さらに日焼けしないメンテナンスフリーであることが、部屋の主であるお母様をいっそう喜ばせたそうです。

寒さをなくして心と体が楽になったら、暮らし方まで少し変わった…自然体のゆったりエコリフォーム、そんなことばが似合う、素敵な大人のお住まいでした。


エコリフォーム成功のポイント
  • 北側窓をすべて二重窓にし、家全体で寒さの元を断つ
  • 趣味や好みのこだわりを捨てずに窓のデザインを考える
  • 部屋の使い方から服装まで、暮らし全般が軽やかに

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