ものづくり、そして楽器のまち浜松市は、遠州灘・浜名湖・天竜川と豊かな自然に恵まれる土地。日照時間の長さは全国有数です。
その一方で、冬は『遠州のからっ風』の異名で知られる強い北西風が吹くため、気温以上に寒さを感じる土地でもあります。
訪ねたY邸では、家族が集まる1階LDKと主寝室である和室の窓をエコガラスに交換しました。
窓の結露と寒さとが長年の悩みでしたが、奥様は「しかたがないと思っていました」ご主人は寒がりで、石油ファンヒーターの設定温度を30℃にしていたといいます。それでもおさまらず、窓辺にはいつも厚いカーテンをひいていた、と振り返りました。
招き入れられたリビングダイニングは、窓の存在が際立つスペースです。南向きの掃き出し窓は幅2.6m近い大開口、東面にも大きな窓がふたつ並んでいます。
明るくて気持ちがいい反面、以前はどの窓も断熱力が低いシングルガラスで、大きなガラス面を通じて外の冷気がどんどん入り込む状態でした。同時に暖かく湿った室内の空気が冷えたガラスに触れることで、カーテンにカビが生えるほど激しい結露が発生していたといいます。
夏の暑さにも悩まされていました。
もともと日照時間が長い上、和室西面には庇のない窓があって厳しい西日にさらされていました。その熱に耐えかね、いまは一年中雨戸を閉めたままにしているというのです。
せっかくある窓を、閉めっぱなしにしたいはずはありません。奥様は「もちろん、本当は開けたいですよ。家中に風を通したいですから」
温暖で暮らしやすいイメージのある静岡ですが、どんな土地にも住まなければわからない気候風土があります。そんな中で、窓の性能も暮らしに少なからぬ影響を与えています。