かつて三河国と呼ばれ、徳川家康を生んだ松平氏ゆかりの地・岡崎が、今回のエコリフォームの舞台です。
戸建住宅が集まるエリアに建つ15階建マンションは全部で186住戸。笑顔で迎えてくれた管理組合理事長の木村宗春さんは、窓について「住民の方からの“結露がひどいので何か対策はないか”という相談は、ずっと以前からありました」と振り返り、こまめに拭いてもらうしかないですねと答えてきた、と続けました。
動きがあったのは4年ほど前だったといいます。
築20年を超えた建物では窓枠のビート*が劣化し、交換が決まりました。ところがほぼ同時期、たまたまマンション管理セミナーに参加した木村さんが“エコガラスで窓をリフォームできて、補助金もある”との情報をつかんできたのです。
説明を依頼され、機能ガラス販売と施工のプロである(株)あけぼの通商がやってきました。空き住戸の窓を使い、コールドスプレーを吹きつけてエコガラスとシングルガラスの断熱性を比較するデモンストレーションを行うと「体験した管理組合の理事全員が『すごい、ぜひやりたい』となったんです」
見積もりがビート交換工事とあまり変わらなかったこと、加えて改修費用の三分の一にあたる補助金が交付されるといった条件も後押ししました。管理組合理事会は検討を重ね、住民への説明やアンケート調査も実施。
ほとんどの住民の支持を得て、2015年4月の定期総会ではビート交換転じて真空ガラスによる窓のエコリフォームが決まったといいます。
200近い世帯数を持つ分譲マンションにおいて、住民の合意を得るのは決して簡単なことではありません。
Nマンションでは
- ①理事長の木村さんをはじめとする管理組合のていねいな説明
- ②補助金申請によって入居世帯の実質的負担がゼロだった
- ③普段から管理規約改正がまめに行われ、共用部である窓の性能改修を計画修繕として認めると明記していた
といった事柄が、スムーズな合意形成につながったといえるでしょう。