ジャン=フランソワ・ミレーの『種まく人』をはじめ、バルビゾン派絵画のコレクションで知られる山梨県立美術館。その向かいに新しくできた小さなミュージアムを訪ねました。
甲府ミュージアムハウスは、自らが所蔵する絵画やテディベアの展示を夢みていた館長の田辺文子さんが、既知の間柄だった建築設計者・藤田義治さんとつくり上げたアートスペースです。
コンセプトは「散歩の合間にちょっと立ち寄って気軽に楽しんでもらえる空間」と田辺さん。そんな思いを映し、目の前に建つ県立美術館の重厚さと一線を画すように白と青を基調にした明るく軽やかな表情が与えられています。
外壁やエントランスにガラスのモザイクタイルを多用したファサードには、輝きとともに繊細な陰影も生まれました。デザインを手がけた藤田さんが「タイルの厚みを変えて装飾性を上げています。きれいでしょう」とにっこり。
細いアプローチを抜け、館内へと進みましょう。