春まだ浅い3月、八ヶ岳連峰の北端・蓼科山の麓に建つ会社社屋のリノベーションを訪ねました。
事業主体は、蓼科エリア一帯に広がる別荘地での不動産販売・建築やリフォーム・管理など総合的なサービスを行う(株)リゾートメンテナンスです。
標高1250mという高地かつ冬場は-10~-15℃にもなる寒さに加えて積雪も1m程度は普通、という“絵に描いたような寒冷地”の環境を前提とした改修でした。
代表取締役の佐藤芳雄さんは「事務所の機能に加えてお客さまがくつろげる場があり、暖かくて社員が働きやすい仕事場」をイメージしたと話します。
コンビニエンスストアだった建物の躯体と窓枠を残して全面改修し、事務所と薪ストーブ等の用品類展示スペースのほか、管理を請け負っている別荘オーナーとその家族が自由に過ごせるロビースペースを置くことにしました。
リゾートメンテナンスはそのオープンな社風から、旧事務所にあってもなじみのお客さまが気軽に訪れてスタッフと話したりするのが常だったそうで、そんな独自性を生かす場が欠かせなかったといいます。
悩みだった寒さを解消しつつ、森林大国である長野の県産木をはじめとする自然素材・建材を多く使うことも、必須事項に挙げられました。
「寒くない環境にする。コンビニエンスストアの雰囲気をなくす。自然素材を使う…一般的な別荘販売・管理事務所とは違うものをつくりたかったのです」