工務店・ガラス店のみなさま/スペシャルインタビュー

薬屋ではなく医者になれ(後編)

米田泰士(よねだ・やすし)
1980年生まれ。二級建築士、一級ガラス施工技能士。
昭和24年創業のヨネダ商店三代目として2003年より代表。西日本エリア屈指の売上高を誇るエコガラスのトップランナー。インターネットを駆使した機能ガラスの販売・施工事業のほか、NEDO、SII等各種の断熱リフォーム補助制度の活用に積極的に取り組む。関西リグラス温暖化対策地域協議会会員。素顔は家族思いのさわやか青年、関西のグルメ情報満載の個人ブログも魅力。


自前でつくった「エコガラス実験ハウス」

米田さんお手製の三角屋根の実験ハウス。内側と外側それぞれに温湿度計を設置している。
窓以外の壁は断熱材入り。窓の障子交換のため背面はビス止めにし、ゴムパッキンで気密を取った。
ハウス内に置いた氷の溶け方の違いを比較している様子。エコガラスの窓ではやはり多く溶け残る。

――エコガラスの断熱・遮熱効果を独自に試験して、データの収集もしておられます。

以前からも工場のガラス戸などでデータ収集はしてきましたが、この夏、大工さんと一緒に「実験ハウス」をつくりました。
一面を掃き出し窓にして、障子単位でエコガラスと単板ガラスの交換ができるようにしています。
近所の子どもたちには大人気です(笑)

――どんな「実験」をされているんですか。

室内に氷を置いた実験ハウスを日の当たる場所に一定時間放置して、エコガラスの窓にした場合と単板ガラスの窓の場合での氷の溶け具合を比較したりしています。室内の温度変化は温湿度計からUSBに数値データを飛ばして確認できます。

窓に直接日が当たる場合、外にすだれをつけた場合、日が射し込まない場合などいろいろ比較できるし、室内に音源を置いたり、逆に騒音計を置けば防音効果も体験できますね。

――すごいですね! でも、これだけやるには時間も費用もかかりませんか。

奥さんには怒られてます(笑)でも、メーカーごとのガラスの性能をきちんと知らなければならないんです。僕らガラス屋さんは、薬屋さんではなく医者なので。


薬屋ではなく医者になれ

ヨネダ商店では、工場の4枚のガラス戸をガラス3メーカーのエコガラス+単板ガラスで構成している。ここも米田さんの実験フィールドだ。
ガラス戸の内側に温度計をつけ、外側からコールドスプレーを噴射して温度変化を比較。それぞれのエコガラスの性能の違いが見える。

――それはどういう意味ですか。

某問屋さんの社長の受け売りなんですけどね(笑)
エコガラスは適材適所です。このお宅にはどのガラスがいいのか、この位置にある窓にはどんな性能が必要なのか…日射の入り方や生活スタイルまで考えた提案が必要です。

機能ガラスは、言ってみれば「効果のある薬」。メーカーは薬屋さんで、困っているお客さんに自分たちのつくった薬を売る、というわけです。

でも、僕らは違います。
患者さんが病院へ行くときは「薬が欲しい」のでなく「悪いところを治して欲しい」んですよね。そんなお客さまの状況を診断し、たくさんある中からその方の困りごとに効く薬を探し出して処方する。
薬屋ではなく医者としての役割があるということなんですね。

たとえば実験ハウスの断熱実験で、日の射し込み方によっては銀2層のエコガラスがオーバースペックになる場合もあることがわかってきました。一軒のお住まいの窓リフォームでも、位置などによって銀1層のエコガラスとの使い分けが必要ということです。それをどう判断して選ぶかも、僕らの仕事。
薬=ものを売るだけの商売ではないんですね。

――「断熱効果ならこの窓(ガラス)ですよ」ではなく「あなたのお住まいのこの北向きの窓には、こんな性能のこのエコガラスがいいですよ」といった提案をしていくということですか。

はい。
もし病気が治らなかったら「どうして治らないんだ!」って、薬屋さんではなくお医者さんのところに行くでしょ?(笑)

ほとんどのお客さまは、薬屋つまりガラスメーカーではなく、それを処方する医者としての僕を信用して仕事を依頼してくださるんです。薬はひとつ間違えると容体が悪化しかねないですから、たくさん勉強して、メーカーにも窓だけにもとらわれない広い視野を持たないと。

そして、わからなかったり迷った時は、自分自身で体験・体感していくことですね。


小さいガラス屋さんにしかできない仕事


大きく広い視野を持って突き進む小さなガラス屋さん・ヨネダ商店を支える、米田さん自慢の家族がそろった。

――やることがたくさんあって、少ないスタッフでやっていくのは大変ではないですか。

僕のイメージでは「小さいお店でガラス屋さんをやっている」というのが重要なんですね。うちの祖母も「ガラス屋は大きくしたらあかん、われもんだから大きくするとこわれる」って(笑)

今の問題は、多くの方が「窓で悩んでいない」ことなんです。

――悩んでいない?

そう。窓っていうのはある程度すきま風が入るもんや、ものが当たったら割れるもんやと思っている。このガラスで暑くないですかと聞いても「そりゃ暑いですよ、夏だもん」と返ってくるわけですよ。
それに対して「今の窓はこんなことあんなことができるんだよ」と分かりやすく伝えていくのは、僕ら小さいガラス屋さんにしかできない仕事だと思うんです。

最初からものを決めてかからず、お客さまの生の声を受けて本当にふさわしい商品を選んで、悩みを解決する。これも、メーカーではなくエンドユーザーを相手にする僕らだからこそできること。
うちのスタッフは家族3人ですが、地域密着型としてこれくらいが一番いいと思っています。

――あえて小さくい続けることで、低い敷居とお客さま目線を保てるということですね。

だからこそ、仲間が大切です。大事な家族や一緒に仕事をしてくれる職人さん、地域協議会の仲間、そして師匠である中西さん。お客さまの前で輝いていられるように、僕はみんなに「着せてもらって」いますから。

もうひとつ大切にしているのは、お客さまの前で「自分に対して嘘をつかない」ことです。お客さまに対してはもちろん当然ですよ(笑)
自分の中で「本当はこうしたほうがいいんじゃないか」と思うことがあったら、それは全部お客さまの前でやるようにしています。

――それは、難しい時も多々あるのでは。

そうですね。でも、今ある100%の力を出せなかったらお客さまには選んでもらえないと思いますから。
僕よく言うんですよ、地域密着型できちんとアフターメンテナンスができる「ほんまもんの仕事」をしようよ、って。

――仲間同士の合い言葉ですか?

実は、新しく計画しているHPのキャッチフレーズです(笑)

――「ほんまもんの仕事」気合いの入った言葉ですね。

僕は父と仕事するのが夢だったんです。残念ながら僕が父を超える機会を与えてくれずに他界してしまいましたが。
でも、もし父が今生きていたら、何を言ってくれるかはわからないけれど、少なくとも僕は「精一杯仕事やってるよ!」と胸を張って言える。そうあり続けたいと思っています。


取材・文:二階幸恵
撮影:中谷正人/米田泰士
株式会社ヨネダ商店
株式会社ヨネダ商店
兵庫県西宮市
社員数 3名
建築金物及び土木資材販売、ガラス工事・サッシ工事の設計施工及び販売、エクステリア・外構商品の販売及び施工、錠前その他防犯商品の販売及び施工、リフォーム業

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